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RO二次創作

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目次 >> RO物語本編 >>  茶色い犬

茶色い犬Brown dog

あら、ウィリアムさん、こんにちはーっ。


今日も、アルベルタで出会うメイチーウィリアム


週1だとか、2週に1だとか。
天気が悪い時は3週に1回だとか。


ふたりは良く会った。


失った人を、いつまでも待つ者同士。

傷のなめ合いではないが、ふたりでいる時は心が落ち着いた。


メイチー「私、海って苦手だったんです。あ、今でも苦手ですが」

ウィリアム「へぇ」

メイチー「でも、、毎日こうして見ていると、、あの人が帰ってくるみたいで」

ウィリアム「ふむ」


メイチーは言った。

色んな街に行って、お金も尽きて、体もガタガタで、
お風呂に入る余裕もなくぼろぼろになったと。

それでもずっと帰ってくるはずのないあの人を探し続けたと。


ウィリアム「愛の力ですね」


メイチー「自己満足です・・・。自己愛です。愛があれば、きっと現実を受け入れてるはずです」

メイチーは苦笑する。


ウィリアムは思った。

いや、現実を受け入れられないくらい、好きだったのだろうと。


そういえば


ウィリアム「ウォーロックにはならないのですか」


疑問に思っていたことを言った。


ウォーロックになっていなかったことで、前は助かったのであるが。


メイチーは言った。

ウォーロックになったら、視えにくくなってしまうから、

あの人が。

あと、、こういうの、、視たり祓ったりするの、、楽しいから、
ウォーロックになったらそういうの出来なくなるから

メイチー「このままにしているんです」

寂しそうに笑う。


きゃんきゃんっ


何いちゃついてるんだよッ!とでも言わんばかりに茶色い犬が吠える。


メイチー「あ、シャオイーさん御免。んふふ、可愛いー」

メイチーは犬をぎゅーっと抱きしめる。


その様を見て、俺も動物飼えばいいのかなーとぼんやり思うウィリアム


突如、びゅーっと突風が吹く。


メイチー「えっ、あーっ あーっ!」

メイチーの髪留めが外れる。


ぎゃーっ と少々下品な声を出してパニックになっているメイチーを見た。


長い髪が風に舞い、清流が流れるように、綺麗な髪がゆらゆらしている。


ウィリアム「(あれー・・・ けっこう・・・)」


・・・


シャオイーさんとやらは何をやっているのだろうか

ウィリアムは不思議でしょうがなかった。


奥地がどうこうじゃなくて船の転覆?

でもそれだったらすぐ分かるはずだし・・・


ふと聞いてみた。


ウィリアム「風がすごいですな」

メイチー「もーう!髪留めもどっか行っちゃうしぃ。すっごい最悪」

ウィリアムシャオイーさんという人は東洋系?」


突然聞かれて ん? という感じで振り向くメイチー


メイチー「そうですよ。私たちは同じ東洋系。

喬一」、ってこう書くんです」

メイチーは地面に文字を書いた。


へぇ、と思いながら、

東洋系の男って見たことないかも・・・

どんな顔をしているのだろうかと考えるウィリアム


どうかしたんですか?
東洋系に知り合いがいるとか

聞くメイチーに、


か、かっこいいのかな

ウィリアムらしからぬ、疑問が投げ掛けられる。


目をぱちくりさせていたメイチーだが、すぐにうーんと考え込んだ。


メイチー「かっこいいって言うより、優しい感じの人かな?」


何を!何を聞いてるんだ!

激しい自己嫌悪に陥るウィリアムに、


メイチー「なかなか、ウィリアムさんみたいに、ハンサムっていう訳には・・・あは」


ウィリアム「い、いやだな、、べ、別にそういう意味でいいいい言った訳では・・・」


誰この人、という感じで、いつもと全く雰囲気の違うウィリアムに笑いが止まらないメイチー



「お邪魔かな?」

突如、後ろから声が掛かる。


メイチー「あっ、ズッコケさーん!」


ズッコケ「なに、新しい彼氏?」

メイチー「違いますってもう。ズッコケさんじゃないンだからー」


ズッコケ「俺彼氏なんて作ったっけ?」

メイチー「しょっちゅう男に囲まれてるじゃないですかー」

ズッコケ「まーなー、今日も何人にも掘られてきてさー」

メイチー「やめてくださいよー!掘る方にして下さい!」


どうやら仲の良いシャドウチェイサーのようだ。

(※シャドウチェイサー=ならず者系の最上位職)


息つく暇もなく、おしゃべりをするふたり。


ズッコケ「そうそう、視てもらいたいものがあるんだけど、時間ある?」

メイチー「あ、はい。 あ、ウィリアムさん、いいですか?」


ハッとするウィリアム


ウィリアム「じゃあ僕はこれでー」


サッと飛ぶ鳥後を濁さず、の如く紳士的に去るウィリアム


少々見苦しい時に、いいタイミングで人が来たかも、と少しホッとした。



「(しかし・・・)」


何となく、あのシャドウチェイサーとはどこかで繋がっている気がするウィリアムであった。

クライヴの義父と、本当の父)

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