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目次 >> RO物語本編 >> 南極の花南極の花Antarctic flowers
- 第10話:野獣ふたり
引き続き (変態色とりどりの) 皇太子並び国王専用謁見室。
レオナルド「(フッ...)」
変なのは変なのと結び付く、ということか。
だとしたら、変なエリザに夢中になっている自分は、、
同じ穴の狢か。
滑稽だな。
今更何言ってんの?
的なことを考えるレオナルド。
エリザは俺のこと大好きですから
女なら誰でもいいくせに。
自信だけは一丁前か。
それでも男か。
変態に言われたくないであろう。
しかしその自分でも持たないようにしている高いプライドに、
思わずライバル心が頭をもたげる。
レオナルド「君は(いきなり君呼ばわり)エリザに(もうエリザと呼び捨て)「無害そうだから好きになった」...無害そうだから好きになられた、、らしいな」
びくーん
ウィリアム「......」
人の気にしていることを。
自分も挑発しすぎたか?
大人げない男だな
似た者同士というところか。
(ますます変な空気(変態的な意味で)が漂う謁見室)
ウィリアム「あの、陛下。...じゃない殿下」
「?」
陛下、と一瞬言われてびっくりするレオナルド。
ウィリアム「一言よろしいでしょうか!」
レオナルド「え、、」
ウィリアム「自分は騎士ですのでハッキリと申し上げさせて頂きますが、
自分は決して無害などではない!」
むしろ野獣、、 という言葉を飲み込み、
「人をからかうような発言は慎んで頂きたく存じます!」
とハッキリ言った。
レオナルド「いや、決して君を、、貴殿をからかった訳では...」
雰囲気に圧倒されるレオナルド。
さすがはルーンナイトといったところか。
(※ルーンナイト=騎士系の最上位職)
というか
レオナルド「(野獣とは!)」
心が読めた訳ではない。
話的にそういう風に取れた。
思わず、
「美しくない!」
と声を荒げるレオナルド。
は?と思うウィリアム。
レオナルド「男子たるもの、常に紳士でいなければ。
野獣なのは見苦しい!」
何でバレてるの 野獣。
焦るウィリアム。
ウィリアム「(まさかレンレンと同じ能力でも、、
王家の人間だし...)」
色々考えてしまった。
そんな時、ハッ!とするレオナルド。
あ、すまない!
突然声を上げる。
こうやって謝罪だけをするために貴殿を呼んだ訳ではない、のだ。
いきなり元気のない声で、下を向いて言うレオナルド...。
対し、
ウィリアム「(早く帰りてーよ。
っていうか エリザも返せよ)」
考えることが面倒臭くなって、その場に ごろーん と寝っころがりたくなってきているウィリアム。
レオナルド「エリザがいなくなった」
え
ウィリアムは思わず肩が上がる。
先程まで ごろーん と寝たいと思っていたくせに、
パソコンに電源が付いたかの如く、
「いなくなった、、 奪い取るチャンス!」
と高速回転で頭の考えが回る。
(早く回転して考えないとすぐ飽きるため、すぐに処理しなければならない)
レオナルドは語る。
レオナルド「場所は察しが付いている...
でもみだりに追い掛けたりしたくない」
これ以上彼女に負担を掛けたくない。
察しが付く場所ってどこだろう、、
ウィリアムは頭を傾げた。
レオナルド「もしも、、貴殿のところに帰って行く、、ということがあれば」
沈黙
レオナルド「...貴殿の奥方との間に出来た子は、ローザという名前なのだが、
私は、、その子さえいればいいと思った」
だが
それでも エリザがいないのは辛い
帰ってきて欲しい
貴殿の元に返したくない
しかしそれは貴殿にも失礼だし、 エリザにとっても辛いものでしかないだろう
しかし私はどうしていいか分からないのだ...
ウィリアム「(奥方って言ったりエリザって言ったり統一性がねーなー)」
どうでもいいことが気になるウィリアム。
先程からずっと落ち着いているウィリアムに、レオナルドは不思議そうに聞いた。
レオナルド「何故。
心配ではないのか?
何故平気でいられるのだ」
ウィリアムは答えた。
ウィリアム「あの人は、、僕のこと大好きだから...
結局いつか僕のところに帰ってくると思って」
レオナルド「(じ、、自信満々?!)」
全く心配の欠片もしていない、堂々とした
(というよりむしろそれを越えてのんきにすらなっている)
態度に、びっくりするレオナルド。
レオナルド「(ど、どうしたらここまで自惚れられるのか...)」
似た者夫婦なんだな... と まるで第三者のようにツッコミを入れるレオナルドであった。