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目次 >> RO物語本編 >> 南極の花南極の花Antarctic flowers
- 第9話:紳士ふたり
レオナルド「(なんだ、田舎っぽい男だな)」
ウィリアム「(キザっぽそうな奴だな~)」
ここはプロンテラ王宮内。
めったに使われない、皇太子並び国王専用謁見室である。
レンレン「どうせなら、私じゃなくてウィリアム氏、、私のパパですが、
ウィリアムさんに言うのが一番だと思います」
レンレンに相談?した結果、
ウィリアムに謝罪するのが一番だろう、そこで結論を出したり色々考えるのがいい、と
アドバイスを受けたのだ。
ふたりとも、事情が事情なので険悪な雰囲気が漂うかと思われたが、、、
もっともっとすごい険悪な雰囲気が漂った。
(そりゃそうであろう)
レオナルドは先に切り出した。
レオナルド「貴君の、、
貴殿の奥方を勝手にさらい、娶ることになり、、こうして子供まで作り、、
申し訳なかったと思っている」
心から。
本当に申し訳なかった。
両手を両膝にあて、深々と顔を下げ、謝罪した。
エリザ、と呼び捨てではなく、「奥方」という単語を使うことで、
礼を尽くしているつもりだった。
レオナルド「しかしこれは言おう。私の想いは決して幼稚なものではない!(幼稚である)
貴殿の奥方を品物のように扱うつもりで、、ではなかった」
本当に愛しているのだ。と。
ウィリアムは面白くなかった。
こうやって謝られてもムカつくだけなんだよ とか
あのアホのどこがいいと思ったのだろう とか
どうやって取り返すかなー とか
どうでも良くなってきた とか
つまらなそうに色々ぐるぐると考えていた。
しかし最大に考えていたことは
「子供なんて作るなよ」
である。
ウィリアム「(要するに、、エリザに手出したってことだよね)」
アホだけど一応俺の女なのに。
ウィリアムはムカムカした。
いくら謝られても足りるか! と思う。
子供に罪はないが、その子供がもし何かの縁で近くで見ることがあったりとか
出会ったりだとかしたら、
フンッ!
と全力で冷たい態度してしまいそうだ。
顔をそむけて、大人げなく、「あなたなど嫌い。私はあなたを嫌いな人間です」オーラをまきちらし、颯爽と、、いや思いっきし全力で去っていきたい。
などと考えていた。
ウィリアム「(エリザはどうだったのだろうか)」
バラ園では「あなたを裏切ったつもりは...」などと言っていたが、
どうだか。
ウィリアム「(俺のこと好きだ好きだ散々言っておきながら、、でもアレがあの娘か)」
ふー、っとしてため息をつく。
そのため息を見て、レオナルドはハッとした。
レオナルド「このようなことを言うのもどうかと思うのだが...
以前に、エリザに」
エリザ、と呼び捨てにしたことにピクッと反応するウィリアム。
レオナルドそれに気付き、あっとしたが、続けた。
「以前エリザに、、 「女なら誰でもいい」と「女なら誰でもいいのではないか?」と
貴殿のことを言ったことがある」
ハァ?
どこかで聞いた台詞。
「そうしたら、エリザが、、思い当たるような、、そういうような態度をしたのだ。
だから気になった」
と言うレオナルド。
何が何だか分からないウィリアム。
ウィリアム「(そうか、レンレンか)」
レンレンも同じ台詞を言っていた。
いや、良く言ってる。
「パパは女なら誰でもいーんでしょ」
「(こいつら、、同盟でも結んでんのか??)」
う"っ!
そういえば。
バラ園でも同じことを言われた。
女なら誰でもいい、でもいいの。ウィリアムの奥さんってだけでいいから!
「・・・・・・」
誰が最初に広めた?のだろうか。
ウィリアム「(そうかー、俺って女なら誰でもいいんだー)」
そしてレオナルドに言った。
ウィリアム「良く分かりません。
...がこれだけは言えます。
エリザは俺のこと大好きですから」
レオナルド「(俺? エリザ?)」
俺、という汚い(彼からしたら)言葉づかいと、自分のことを棚に上げて「エリザ」と呼び捨てにしたことに驚くレオナルド。
レオナルド「(違う違う!そこではない!)」
エリザは俺のこと大好きですから
レオナルド「(なんって自意識過剰な男なんだ!)」
美意識の高いレオナルドはその自信満々(しかも人の前で堂々と。そして皇太子の前なのに)
な態度に嫌悪の感情を抱いた。
何故エリザはこんな男と?
自分の変態さをすっかり棚にあげて、呆れるしかないレオナルドだった。