Ragnarok Online derivative works
目次 >> RO物語本編 >> 南極の花南極の花Antarctic flowers
- 第21話:不可解な思い
「あのっ!ご相談があります!」
ある日の崑崙山中。
エリザがうさぎの特別服を着て美織に言った。
(うさぎは美織の趣味)
(たまにへびの刺繍もいれたりする)
(というより干支の色んな動物を入れて楽しんで作っているらしい)
エリザ「いつまでもここにお邪魔している訳にはいかないし・・・
思うのですが、」
美織「ちょっと待って、
あれっどこかしら。
シャオイーさ~ん」
エリザ「(喬一さん?今モスコビアとブラジリス(緑豊かな海岸都市)に遊び?に行っているはず・・・)」
(東洋名:きょういち、西洋名:シャオイー)
きゃんきゃん!
「いたいたー!」
エリザ「(そっちか・・・;)」
美織「このこねぇ、ちょっとした占い犬なの。
役に立つと思って」
あれ
そういえば
エリザ「あの、そういえば、凍死?しないんですか?
大丈夫なのでしょうか」
美織「大丈夫。ぬいぐるみだから」
「(ぬ、ぬいぐるみが占い? そして何故動いてるの?
これも仙術??)」
美織「元々まだ天界に上がる前、、
喬一さんとのコンタクト犬、、テレパシーね
テレパシー犬として使っていたんだけど、、」
天界に上がってから、
改良に改良を重ねて、
喬一さんにドーン! てプレゼントする予定だったの。
美織「でも気に入っちゃって、、
私が持つことに」
「(こ、混乱しないのかな。同じ名前で)」
日に日にアホじゃなくなってゆくエリザ。
(元に戻っているというべきか・・・)
最近はツッコミ役(心の中の)が多い。
(反比例して美織と喬一がアホになってしまったらエリザはどうなってしまうのだろう(処罰的な意味で))
ぽんぽん、と雲の椅子に誘導する美織。
エリザ「あ、はい」
ちょこん、と椅子に座る。
美織「はい、どうぞ」
あ、、とつぶやく。
エリザ「あの、私。良く考えたのですが、
どうしてもウィリアムが好きなのです」
美織「うん」
エリザ「どうしてもどうしても!
あの、レオナルドもいい人なのですが、、
いい人なのですが」
それでも、、どうしてもウィリアムが
と言って言葉を切った。
美織「・・・」
エリザ「・・・」
エリザは目をつぶっている。
美織は腕を組んだ。
しばらくしてエリザは目を開けて、、、
エリザ「お、女なら誰でもいい らしいのですが、、
それでも、、いいっていうか」
でも、、
それでも、、
じわ~っ
エリザの目に涙が浮かぶ。
美織が質問した。
「どこら辺が良かっ、、たのかな」
エリザ「優しそうなところです」
美織「(無害そうなところじゃなかったの??)」
えっとえっと
何だかまともそうなエリザに戸惑う美織。
美織「そうねぇ。兄上の気持ちが大きすぎて、、うーん。
どうしていいやら・・・」
エリザ「兄上?」
美織「ああ、、レオナルド皇太子のこと。
私の腹違いの兄なの」
(※過去「茶色い犬」参照)
エリザ「(そういえばそうだった)」
ということは、、
エリザ「(美織さんは今は義理の妹になるのかー)」
美織「んでー、、」
続ける美織。
「あなたに一生想われなくても、、
ずっとウィリアムを好きでも
ずっとあなたが傍にさえいてくれればいいって思ってるみたい」
「・・・」
レオナルド・・・
レオナルドのことも思い浮かべて、、涙が出る。
美織「兄上のことも好き?少しは」
エリザ「分かりません。
でも、、 私を失って、、
こんな私を失って、、悲しむあの人、いや違う
もし私があの人を失ったら、悲しいかも・・・」
訳が分からなくなる美織。
美織「愛してるの?」
エリザ「いいえ。愛してません。
でも、、良く分からないのです。
何なのか」
美織「ど、どういうこと?
えっと、、でも、ウィリアムを失ったら余計悲しいよね?」
エリザ「・・・悲しいです。
でも、レオナルドを失うほど悲しくないような気がするのです」
美織「えっ」
エリザ「何故だか分かりません!
私はウィリアムが大好きなんです!
愛してるんです!
でも、、失ったら怖いのはレオナルドです・・・」
えっと
美織「それは、、愛されているから?」
ハッとするエリザ。
エリザ「そう・・・だった」
エリザは気付いた。
美織に言われて覚醒した思いだった。
エリザ「・・・今気付きました。
そうかも。
愛されているから、、そう思うのかも・・・」
美織は う~ん、、、と なおも疑問の顔をしながら問う。
「でも、、あなたが愛しているのはウィリアムさんなのよね、、、」
・・・
エリザは分からなくなってきた。
「愛されている」
この言葉を聞いて、急にレオナルドの顔が思い浮かんできたのだ。
美織「ウィリアムさん、、、レオンさんの言う通りよ
こうやって女は心を変えていくのよ~」
「え?」
「ううん、ひとりごと」
美織はシースーで偶然見た、レオンの台詞を思い出していた。