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RO二次創作

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2013年時点でのROの世界観で構成されています
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目次 >> RO物語本編 >>  南極の花

南極の花Antarctic flowers

リンゴーン

少女「おとうちゃま、あのお人形はいつ動くのー」

父親「だから言ったろ? おまえが大人になったら動くのだよ。
パァッとお母様に変身してね。
お姫様の格好になって、おまえを抱っこしてくれるよ」

少女「おとなー 早くおとなになりたいよー」

父親「すぐにはなれないよ
でも大人になったからっていいこともある訳でもないぞ」

少女「どっちよう。大人になっちゃだめでもメイチーは早く大人になりたいもん。
早くおかあちゃまに会いたい」


父親は思わず泣きながら少女を抱きしめた。


「お父様は、、必ずお母様におまえを会わせるからな......
お願いだ信じてくれ......」

「おとうちゃま、苦しいよ」



樹の前にあるキレイな小部屋。

カラ......


少女はドアを開ける。

いつもの、キレイな人形。


少女「おかあちゃま、毎日ここにいてつまんないでしょー?
だから私ね、お菓子持ってきたのー
おかあちゃまだってお腹すくから、ね?」


おかあちゃまぁ、どうして食べないの?

お腹すいちゃうのに

おかあちゃま......




フローラ「まぁ 内親王殿下、、またここですか・・・」

すぅすぅ

少女は寝ている。


フローラは涙ぐむ。


「内親王殿下、、、この人形はちゃんと動いているのですよ
心の目でご覧なさい、、まし、、、」

両手で顔を覆い、うっうっ と泣いた。


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少年「メイチー、おまえには私がいるじゃないか」

少女「おにいちゃまー おにいちゃま大好き!」

ぴょんっ! と少年に抱きつく少女。


少年「おまえのお母様はもうお空の上に行ったんだよ。
私がいるからもういいじゃないか。
私がお母様の代わりになるよ」


バッ! と少年から離れる少女。


少女「やめて! おにいちゃまはおかあちゃまがいるからそんなこと言えるのよ!
メイチーも欲しい!
メイチーだっておかあちゃまが欲しいもの!」

少年「メイチーいい加減にしろ!
お母様お母様言ってるばかりじゃどうしようもない!」


少女「やだ!
おにいちゃま嫌いよ!」


ぱたぱたぱた


逃げていく少女。



フローラ「親王殿下!おやめください!」

ぱたぱたとエプロンの裾を両指でつまんで駆けてくる召し使い。


少年「フローラ」


フローラ「内親王殿下はお寂しいのです!
まだお小さいのです!
あまり追い詰めるようなことはなさらないで下さい!」


少年「・・・分かったよ
でも私は寂しいのだ。
あいつは母親しか見えていない...
誰も家族として見ていない......」


父親「レオナルド」


少年「父上・・・」


父親「メイチーだって、いつか分かるんだ。
あの人形だって 動かないのだということを」


少年はうつむいた。


父親「・・・いつか分かるのだから、いいではないか。
夢を見させて、楽しくさせてあげるのが、
家族の役目だ」


少年「・・・はい・・・」


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ハッ

美織「(・・・イヤな夢・・・)」


むくり、、と起き上がる。


隣では喬一がマサルさん的な寝方をしている。
(どんな寝方だ!)


「(それにしても、、みんな私がいない時に好き勝手にああいう会話してたのね......)」

苦笑する美織


......


美織「(ローザは、、どうなるのかしら)」


ローザ、、かつての自分の姿と重なる...


ローザはどうなるのかしら。


エリザなんて正直どーでも良くなってきたわ!


ぶんぶんぶんっ!

すぐに頭を振る。


美織「(やだわ、、すぐに流されて、、
考えをコロコロ変えて、、
みんな辛いのに)」


ふと、隣の部屋のエリザの様子を気にする。

美織「(寒くないかな。まぁ大丈夫だろうけど)」


隣の部屋は呪術(呪術??)で温かく保温している。

快適に眠れているであろう。



美織「(ちょっと、外散歩してくるかな)」



月夜の崑崙山。

スースースー

天界の植物たちの寝息が聞こえる。


美織「(ロマンチック~ 風流~...)」


夢をすっかり忘れ、外の景色にすっかり癒される美織


「ふぅ~・・・」


「眠れないんですか!」


喬一の声がして、

くるりと振り返る。


喬一がこちらに歩いてくる。


先程の寝方にぶふーっ!と吹き出すのをこらえるために、サッと顔をそむける。


喬一「静かな夜ですな」

「・・・」


夢を偶然見られていたことを悟った。


美織「可愛かったでしょ私」


喬一「?」


美織「だからぁ、 可愛かったでしょ。昔の私!」


喬一「可愛かったです」



何も詮索せず、そっと言う喬一に、思わず涙ぐみそうになる美織であった。

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