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RO二次創作

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目次 >> RO物語本編 >>  夜桜の精

夜桜の精Spirit of cherry blossoms at night

彼の名はヴィンセントと言った。

若かりし頃、彼はまだ男前であった。


カツンカツン

灰色の、冷たい床。


道路をそんな風に思ったのはいつの頃からだろう。


「(土の上を歩く方が好きなんだ)」


森林の所の木の葉の上をサクサクッ とかね


川が流れている両脇の草の上をテクテク とかね



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幼いヴィンセントは言う。

『お母さん』


母親はそれをさえぎった。

「いやね、やめて頂戴。

私、「ママ」って呼ばれたいの

お母さん、っていかにも老けてる感じがするじゃない」




母親は続ける。

だからね、「ママ」って呼んで。

ずっとよ





きっと絵に描いたら恐ろしく面倒臭そうな、

豪華な豪華な家。

わさわさ動き回っているお手伝いさんたち。


ひとつでいいのに、あちこちに飾ってある色んな風景とか人物の、絵。


「(額縁の分減らしたら少し壁スッキリするのに)」



優しい顔をした、茶色い髪の清楚そうな母親。


表向きはそう装っているのに、


「(実際は悪魔なのを知っている。それも恐ろしく邪悪な)」


この家がそうなように。


きらびやかなのは表面上だけで、内面は...。




俺は、外見と内面が直結していないことを知っている。

外見ヅラには絶対に騙されない。

ヴィンセントは心の中でつぶやく。



・・・様々な期待。

両親により、
強制的にクルセイダー系職にさせられ、王宮警備の部署に配属させられた彼。

(※クルセイダー=剣士の発展職、警護兵)


そんなもの、自分で稼いで努力して手に入れたいのに、

どんどん豪華な武器・防具を頼みもしないのに買い与えてくる両親。


「父さん、これじゃあ僕はどんどん駄目になっていく!」


「何。それじゃ不満か」


違う


でもそうだ

母さんも。


でも買い与えられたら、、


それが当然になって 当たり前になって


俺は きっと・・・



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リヒタルゼン(企業都市)の、とあるどこかの大富豪の家。

冷たい心を持ったある人間。

名はヴィンセント。

彼はいつの間にか、どうしようもない人間になってしまった。


普通は甘やかされた人間は、財産を食い潰す。


聡明なヴィンセントは、元々あった財産を、更にふくらませていった。

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