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目次 >> RO物語本編 >> 夜桜の精夜桜の精Spirit of cherry blossoms at night
- 第11話:砂漠でのこと
「何十年も前の話しだけど・・・」
砂漠の上を、眼光を鋭くし、サクッ サクッ と
一歩一歩踏み出す女ウォーロック。
(※ウォーロック=魔法使い系の最上位職)
腰が抜け、そのままどうしていいか分からなくなって呆然とするローグ。
(※ローグ=ならず者職)
「ぼ、僕は、、何も」
本当だ! 俺は関係ない!
あれは俺 関係ない!
っていうか!お、俺だけじゃない!
見捨てていたのは俺だけじゃ・・・
ローグは頭が真っ白だ。
彼は、後ろで倒れている仲間たちを見るのが怖かった。
フッと目の前のウォーロック女性は下を向いて目をつぶった。
「あ…こんなこと良くない」
やり過ぎてしまったことを後悔しているようだ。
・・・・・・
呆然とするローグ。
じゃね。
ばいばい。
サクッ サクッ
くるりと背を向け 去っていこうとする彼女。
ローグは聞いた。
「あの」
先程の彼女の恐ろしい姿が蘇る。
あなたより、、強い人っているんでしょうか。
いるわ
後ろ姿のまま、彼女は言った。
少し振り向き、「私の夫よ」 と言う。
「でも、オズマンド先生には勝てないみたいだけどね」
ローグ「(オズマンド先生??)」
オズマンド先生とは、モロクにひとつしかない医院に勤めているあやしい医者である。
「(確か本職はシャドウチェイサーで、ヤシの樹みたいにでかいあの変な人だ)」
(※シャドウチェイサー=ならず者系の最上位職)
ズッコケという本名があるが、初代のオズマンド先生の名を引き継ぎ、「オズマンド」を名乗っている。
この凶暴な人を押さえつけることの出来る男がいて。
それが彼女の夫で。
その彼女の夫を、更に倒すことが出来るのが
あの変な人?(オズマンド先生)
訳分かんねーよ
・・・
・・・
しばらくの沈黙。
「あの、あなたのお名前は何とおっしゃるんですか?」
最後に聞いてみた(もう近づきたくない的な意味で)
不良とは思えないような丁寧な言葉が出てくるという不思議な現象にびっくりする女ウォーロック。
「リンリン。東洋系よ」
ほ~そうなのか。
色んな人がいるものだなぁと
ローグは何となく感心した。
東洋系はこの世界では極めて珍しいからだ。
後ろの仲間が倒れているのにも関わらず、ずっと感心し
うんうん、と頷くローグであった...