Ragnarok Online derivative works
目次 >> RO物語本編 >> 夜桜の精夜桜の精Spirit of cherry blossoms at night
- 第13話:ひつじ
プロンテラ某所。
何処行ってた!
モロンの怒号が響き渡る。
うっ
リンリンは目をつぶった。
「も"、、モログよ・・・」
声にのけぞる彼女。
おまえ、家での家事は!
あ
ちゃ、ちゃんとやったわ。
全部やった上でモロクに
「うるさい!」
いちいちさえぎり、イラついた声を出すモロン。
「こ、怖いんですけど」
勝手に俺の許可なくどっか行くな!!
俺の許可なく?
べ、別に許可なくても 何処行こうと勝手じゃ、、
「うるさい!」
ビクッとするリンリン。
「(こ、この人はうるさい!しか言えないのかしら)」
アマツの件なんてどうでもいいだろ!
いちいち声が大きい。
「おまえは俺の傍にいればいいんだよ!」
いちいち他のところに行くな!
わ、私は便利な召し使いさん...なのかな
そうつぶやくとすぐにさえぎるモロン。
違う。
おまえは俺のひつじだ。
「ひ、ひつじ?」
何故ひつじ?
ひつじは神話の時代からいる最弱の生き物だからな。
群れることしか出来ない弱い生き物だからすぐに人間は飼うことが出来た。
「飼うのが簡単だから?」
何か良く分からない
ふわふわの毛をしてて可愛いからだ!
意味不明に赤くなって言うモロン。
「(ど、どういう意味・・・?)」
ほ、褒めてる部分もあるの?
良く分からなくなって聞いてみる。
飼っている動物だってことだよ!
すごいことを言うモロン。
「(せめて人間扱いしてよ・・・)」
奴隷、だって一応「人間」なのに
私は人間以下って訳ね
で?
モロンが切り出す。
アマツがなんだよ
えっ?
リンリンは顔を上げる。
「あるんだろ」
しょがねーから俺が手伝ってやる
・・・
「(えーと)」
さっきまで どうでもいいだろ! とか言ってたくせに、と思うリンリン。
「返事は!」
あ、は、はい!
そ、そうしてもらえるとうれし、、
「だったらもたもたするな! すぐ行くぞほら」
グイッと手を引っ張る。
彼は元来せっかちで極めて合理的な性格をしている。
やるべきことはさっさとやらないと気が済まない性格のようだ。
同時に、、ぱあっ と顔が明るくなるリンリン。
「(そ、そうだ。モロンさんは無敵なんだわ!)」
百万の兵を得たも同じ!
「その代わり、代償は払ってもらうからな」
何とも言えない目でリンリンを見るモロン。
「(ジンギスカンにされて食われるぅううぅっ!)」
思わずぎゅっと目をつぶるリンリンであった。