当初は「給料が高そう」と目を付けた特殊な宿で清掃員として働くことにしたミヤ。
彼女は体を動かすのが大好きだった。
それなら苦にならないし さすがに汚れすぎて無理、って思ったら
ぜ~んぶダグラスに押し付けちゃえばいいし~♪
そんな風にして
気楽に考えていた。
初めは真面目できっちりやるミヤに、従業員たちや店主は感心したのだが、
余りに頑張りすぎるので心配し出した。
「そこまでやらなくていいから」と給料はそのままにしてことあるごとにミヤを休ませようとした。
そこまでは良かった。
和風系の人種でこういう珍しい人がいる、という噂を聞きつけ、
やはり同じ和風系であり、その店の従業員である「ユズル」という男が、、ミヤに目を付けた。
ちなみに、
西洋系:東洋系:和風系の割合は、7:3:0.05くらいである。
0.05なら、7と3は計算が合わないが、それくらい和風系というのはレアな人種であった。
さて、ユズルは修羅であった。
(※修羅=修行僧系の最上位職)
ユズルは優しい男だったが、、何がどうなったのか。
・・・
ミヤはそんなユズルを愛した。
愛しさえすれば、、痛くないから。心が。
心を守るためなら、心を変えればいい。
痛みを感じなくするためにユズルを愛した。
ダグラスは思いっきり姉をひっぱたいて「目を覚ませ!」と訴えた。
ご自分の身を何だと思っているのですか。
ミヤは言った。
「私の魂は強いわ。
『魂だけは誰にも渡さない』
だから平気なの」
心まで犯されているんですか!
そういうダグラスに
「ええ」
と。
魂が一番大切
心なんて二の次
肉体は三の次。
戦慄を覚えるダグラス。
「(心を変えられるだと?
そんな、あんなに酷い人間を、、すぐに愛せるだと?)」
魂を守るために
「(そんなこと 可能なのか?)」
姉の強さに
ダグラスはいつまでもいつまでも、、岩のように、、
何万年も波に打たれても結局形を変えない稀有な珍しい大岩のような・・・
そんな強い 姉の後ろ姿に 肩に
ただただ 何も言えなかった。
当然 ユズルは対価を渡していた。
対価をもらわなければ いずれ彼女は去ってゆくだろう。
・・・ユズルだけでなく、ミヤの両親にも問題があった。
それでも何とか生きてゆくミヤ。。
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