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大浴場



喬一はホイ次ホイ次、のサカサカ派である。

サカサカ動いているだけで、頭に入っていないというが、実は頭に入っている。

トロトロのんびりするのが厭なのだ。


そんな、喬一のペースにすっかり振り回され、ぐったりと疲れきってしまった美織。


ペタッ
ペタペタッ

ペタペタペタッ

ペタッ

大量に買ってきた有り難いお札(おふだ)を部屋中にぺたぺた張りまくるふたり。

取れないようにビッチリ貼るのではなく、すぐに取れるように工夫して貼った。

(後々のことを考えて)


「よっし」

美織「結界みたいになった!」


・・・
ここに執着している。

美織「(何故帰らないの、、何やってるの私)」



ふぅ

しばらく部屋で休んでいたが

(喬一のペースに疲れていたから)


スックと 立ち上がって、「お風呂入ってくる~」

と準備をし出す美織。


が、
「水場というのは危険なもの(霊)が集まりやすくて危険らしい」
ということでふたりで行くことになった。

大浴場に向かうふたり。


スタタ
美織は女湯の方に向かった。




喬一「待って」

「そっちなんか危険
下がって!」


スタスタッと歩いて美織の手をつかんだ。


ざっぱん

がーーーっ

ざばばばば


大浴場の、お湯の音が響く。


喬一「男湯の方は問題ないんだけど
女湯の方が・・・」


ギュウウゥゥッ

美織の浴衣を引っ張る喬一。


美織「そ、そっか。どうしよう
でもお風呂・・・どうしよう」


しばらくたたずむふたり。


まず喬一が先に入り、温泉から出た後で美織が入り、
女湯の入り口で喬一が待つ、ということになった。


天人は雲のようなもので出来ている。
精神の塊のため肉体がとても、もろい。

服を着ていない状態は「攻撃力ゼロ」「防御力ゼロ」魔法だって撃てない。
そういう状態になる。

そのため温泉の中というのは天人にとって『気を付けなければいけない場所』なのである。


そのため「人間であり天人でもある存在、喬一」は美織にとって心強いガーディアン、であった。


アハハハ
ちょっ えー?
キャッキャッ ヤダー
アハハハ何ソレー


女湯の中の声である。

・・・

あっ!

思わず大きな声を出してしまう喬一。


バンッ!!

両手で女湯の扉を一気に開けた。


陰惨な空気が部屋を覆っている。

女性はひとりもいなかった。



タタタタッと大浴場の方に走る喬一。

ガラガラガラッ


ピシャッ


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髪振り乱した姿で青い顔のまま気絶していた美織。

すぐに脈を取り、無事を確認後に洗面室のバスタオルで美織バシバシ拭き、
『月の間』に運ぶ喬一。



すぅすぅ・・・

すぅ


喬一「(寝るこは育つ!)」



遠い場所にあるベランダに出て少し外の空気にふれて涼んだ。



とりあえず、喬一はひとつの謎が分かった。



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