天界でも粉雪が舞う頃。
とても重要な話があって、至急話したいから会いたい。と
夏樹と春花が言っている、と言うことで・・・喬一の住み処に来た美織。
こんなことは初めてらしい。
美織「(何だろう。久し振りに会いたくなったのかな)」
バシシッ
喬一が外出後に眠気が襲って来てそのまま寝入る美織。
ハッと起きた時、傍で夏樹がふよふよしながら見守っていた。
アレクシス『風邪だけはひかないように。
早く帰っ・・・まぁ遅くてもいいよ。君の自由に』
まぁ遅くてもいいよ。君の自由に
まぁ遅くてもいいよ。君の自由に
まぁ
くぅくぅ
私は普通のダンサーで良かったの。
妾妃になんてなりたくなかった。
あんな若いのにどうして私の座を奪われなきゃいけないの!
私の方がずっと位が上なのに!
おかあちゃま、言っていることがむじゅんしているよー
うるさいわね!
あたしに意見すんじゃない!
チャオリン(銀鈴)様、お言葉が・・・
うるさいわね!
あなたもクビになりたいの!
ハッ
「・・・」
同じ展開。
ふぅ
白蛇の湯(タン)を飲みながら、物思いにふける美織。
わふわふっ!
「??」
驚く美織だ。
夏樹がとても哀しそうな顔をして見ていた。
くるる~ くるる~
甘えている。
わふっ!
美織「うわっ!」
下から春花が顔を出している。
じー
「『あ』・・・『に』・・・?」
春花が強烈な「文字」「発音」を美織に送りつけてくる。
「あに、兄?」
やっと美織が解析する。
しゅるるるる
美織「・・・・・・・・・・・・」
春花「どお?・・・まぁ言葉も出ないか」
この衣装は確か、、シャーマン(巫女)・・・?
美織はお正月イベントでシュバルツバルド共和国の首都、ジュノーで神託をしていた
巫女の姿を思い出した。
私の名は「ノリーン」。
普段は、、ジュノーでシャーマンをやっているわ。
ノリーン・・・
確かそんな名前だった気がする、、と美織。
兄上は、あなたを心配なさっているのよ。
「天人でこういうことになったから」
美織「あ、兄上?」
ドスン!!
美織の頭にぶつかっていく夏樹。
あはははっ
心から愉快そうに、ノリーン(春花)が笑った。
★元々双子の男女として生まれる予定だったが、
兄が妹に全部の力を譲ってしまい、妹だけが生まれた。
★妹は途方もないパワーの持ち主になった。
★そのため、シャーマンになり。精神体だけになった兄と会話をするようになった
★A判定人物「喬一」をふたりはいたく気に入り、犬に変身してまとわりつくようになった。
二週に一回、シャーマンとしての役目を果たすためジュノーに行き、そこで変身を解いて様々な任務を果たしている。
(喬一は知らない。夏樹は知っている)
兄上(夏樹)は相当、、
「あなたのことがお好きみたいよ」
ノリーンは言う。
わふぅ・・・
夏樹が心配そうな声を出す。
兄上。
お気になさらないで。
少し美織「さん」とお話しているだけだから。
夏樹は美織の前にたちはだかった。
厭ね。
兄上・・・。
大丈夫よ?
高らかに嗤う(わらう)ノリーン。
A判定・・・S判定。かどうかは分からない。
「そういう言葉自体ないものね」
ノリーンはくるっと背を向けた。
「美織『さん』がS判定だって 知ってたのよ」
喬一様が「A判定」だってこともね。
イラつきながらノリーンが言う。
どうしたことをしてくれた!!
神託の時のエコーがかった声。
『A判定とS判定が結びついたら、凄いことになるだろうが!!』
夏樹がバサッとノリーン(春花)の顔を直撃する。
「やめて!」と言っているようだ。
ずっと。言いたかったのよ。
「何てことしてくれたのよ!」
美織は呆然とするしかない。
今に不幸が訪れるわ!
だから!
「だから嘘の神託をしたのに!
アレクシスもだましたのに!」
バシッ!
ずっと 言いたかったことが、ここで爆発したのだろう・・・。
むらさき。第一話。
『えー?私、男の人な気がするよ?A判定』
アレクシス『・・・え』
『メ、メイチーは・・・?』
『れ、レンレンさんレベルくらいならすぐに分かるんだけど。
なーにも感じないからF判定すら行ってないんじゃない?』
パササッ
部屋に喬一が入った。
すぅすぅ
深く寝入っている美織。
聞いてしまった、春花の正体。
夏樹と春花の関係。
そして・・・
カチリ
まず芳香剤を置き、
空気が乾いていたら加湿してくれて、
空気が湿っていたら除湿してくれる
『湿度調整機』
・・・
パシシッ
喬一は去って行った。
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