そう。ここは天界の逆の世界。
『地界』と呼ばれるところである。
何故ここに来ようと思ったのかな。
アレクシスは疑問に思った。
人は皆、業を背負って生きている。
人を傷つけて、、
自分を通して生きている。
それでも生きて行かねばいけなくて。
「(こうして地界に行ったり、或いは天界に行ったり)」
消滅しても、、
あらたな精霊が自分の空中の粒を拾い集めて、、生まれ変わることもある。
全てではないが。
生きることは、、悲しいことだ。
辛いこと、そればっかりだ。
楽しいことなんてあるものか。
「(そんなの一瞬の夢だ)」
覚めたのちは・・・
夢からさめれば、寒い現実が眼前に広がっている。
絶望しようとも
希望を見出そうとも
人生は結局「苦」である。
だからと言って僕は逃げなかった。
逃げている人が羨ましかった。
ただひたすら、、進んで、、
玉清になれたのはそれだと天帝はおっしゃった。
『そなたは決して逃げずに人生に立ち向かった。
何があろうとも、苦楽の淵に落とされようとも、
決して最後まで諦めず、消滅する最後の瞬間まで諦めずに
走るだろう。
おまえは強い。
強い魂に免じて『玉清仙人』の位を授ける』
黄色い光が一面に広がり、あまりの眩しさに目をつぶった。
センチメンタルな気分になったのかな。
・・・
幽体状態を解除して、天空を見つめてスッと雲々を見る。
喬一君・・・一度『君』に出会いたかった。
パッとしない容姿も、来儀君が引き継いだのだろうけど、
「(オリジナルが見たかったな)」
(パッとしない、大きなお世話)
アレクシス「(いや、・・・どうなるか分からないな)」
先程聞いた、凄まじい叫び声。
火の恐ろしさ。
アレクシス「(喬一君と美織がいたら、ああいう世界も浄化されると思った
憎しみも恨みも・・・
悲しみも。何もかも)」
だから地界に幽体離脱して行ってきたのか、と納得するアレクシス。
・・・
違うかもしれない
そうかもしれない
「(どちらでもいい
今日はもう、満足だ)」
アレクシスは天宮廷に戻った
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