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そうはいっても



兄上は相当アレだからねー


美織はふーっとため息をついた。


「ずっと、素直ないい子を演じてきてたから、

本当の自分てのを押し込められていたんだと思う」


だから、本当の自分を出すって時に

うまい行動だとか言動だとか、、

「表現が分からなかったんだろうなぁ」


だっ

だとしても


「でも!」


エリザが声を張り上げる。

大声と言ってもいいだろう。


だからってといって人をさらうだとか

アホです!

目をつぶりながら言った。



・・・


あえてツッコミをしない美織。



・・・

「唯一 分かったことがあるわ」

美織が真面目な声で言った。


あなたの、、素直なところが好きに

あ、でも話したことないのに好きになったのかー

うーん、と首を傾げる。


「あ、狩りで一緒になったことは、、何度か。

何かそういうこと、、狩りとか 体験したくて テキトウに狩り仲間を探したり、、

そういうことをしていた時期があったそうで」


・・・

じーっ というより、じとー、、という感じでエリザを見る美織。


それよ。

呆れて言う。



あなたの、、その 子供みたいな もちろんすごく良い意味でよ

人を疑わない、、素直な性格が


「兄上をメロメロにしちゃったのよ」


なおも呆れて言う。


宮廷は嘘ばっかり おべっかばっかり

媚びへつらいばっかり

本音を隠してばっかり


・・・そんな人間ばかりだったもの 言いすぎかもだけど


あなたみたいな素直な人間が新鮮だったのかもね。


「狩りでさ。見抜いたんじゃない」

そゆとこ



ぐっ


一気に真っ赤になる。


な、


心臓がバクバクするのを感じる。


エリザ「(・・・わっかんない!)」


幼い頃からずーっとウィリアム「しか」見えてなかったエリザは

こういう 男性からの求愛というものを(今までは「ただの拉致監禁であって求愛ではない」と思っていた)経験したことがなかった。



だ、だからって何な訳!


ど、どうでもいいわ

心臓の鼓動を必死に押さえ、、、



考えまいと考えることをやめていた事象を引っ張り出した。


み、身を


身を引く愛・・・


そ、そう

「身を引く愛ぃぃ」

(テンパりすぎ)


ううーっ

・・・どう、、すれば


グウッと体が重くなる。


・・・・・・


難しいことだ。

特にレオナルドには。


そもそも自分のために、無理矢理人をさらうような人間である。

身を引くなど、極めて、、、難しいだろう。


エリザは両手を組んだ。

祈りのポーズである。。


「・・・レオナルド・・・」

彼の名前をつぶやく。


きゅっと唇を結ぶ。



話し合って話し合って話し合って話し合って

話し合い倒して、、、


何とかならないだろうか。最後に、、、


少し、建設的なことを考えられるようになったエリザであった。



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