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桜の花びら



捨てられたのに、


アイランを捨ててしまった。

(※過去「2つ前」参照)


クライヴ「(何だ今になって)」


クライヴは不可解なもやもやがずっと頭から取れなかった。


ズッコケ「おーい、竜の激辛スープにする?それとも九尾狐のしっぽ料理?」

ハッとするクライヴ。


階下から父(義父)の声がする。


えっと

クライヴ「どっちでもいいよ

っていうか父さん、辛いの苦手なくせに(笑)」


ズッコケ「そんなことないぞ!
まぁそんなことあるけどなー
じゃ、どっしようかなー」


いつも通りの光景。

ホッとするクライヴ。


クライヴ「(何考えてたんだっけ)」

まぁいいや


ズッコケ「あーこれ腐ってる」



「捨てるしかねぇなー」



ピキッ!



捨てるしかない



クライヴは凍りつく。



思い出した。


ぐっ


目をつぶる。


ぐうううううぅ


いけない いいけない!


なのに、、

うぐっ


肉体的なものは「嗚咽」と言う。

精神的な嗚咽、、とも言うべきものをクライヴは出す感覚に襲われる。


うげっ


「(前世だけど、、俺は母さんに捨てられたくせに、、、
好きな女を捨てた!!)」


思わず壁にくぅっと拳を当てる。


「(皇帝に逆らえるか! しかも相手は冷酷無比のアーロンだった!)」


だからって


クライヴは頭痛のような罪悪感に頭がくらくらした。


何故、今になってこんな。



「(・・・捨てられた痛みが分かるくせに、、分かるくせに何故捨てたんだ)」


何故捨てられるんだ

あんな簡単に


アーシェ、私を捨てるの?


あの日のアイラン

すごく涙を浮かべてた


俺もあんな風に、、


すごい涙を浮かべてたのかな


お母さんはそれを見てた?


「(じゃあ、、お母さんはそれを見ていながらも、、
去った訳か、、、)」


最低な人間だ


そして俺はその最低な人間と同じことを。




「(だから、こんな運命に)」


現在の、あまり幸福でない小さい頃の、、

思い出したくない記憶を思い出す。


誰も居ない森の中

土が、、ひたすら冷たかった・・・


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クライヴはアイリーンと同じく、、

ベッドに横になって、天井を見つめるポーズになっていた。


「(いつもは、何も考えないでいられるのに)」

こういうのっていやだな



そういえば


食堂で声を掛けてしまったあの人


レンレンに似てたな。


レンレンの大人Versionだとああいう感じ?


「(レンレンと言えば、、)」

アイラン。


今の自分は罪悪感を感じる必要はない。


アイラン、、つまりレンレンは幸せのようだ。



罪悪感に捉われたら、、何も出来ない。

前に進めない。


罪悪感を持つくらいなら、最初からそういうことをしなければいいんだ


きっと積もりに積もれば、、


花びらでさえも、ひとつひとつなら美しいのに、


それが蜂の大群のようになってしまったら恐怖を覚えるように、、、



きっと 取り返しのつかない、 大変なものになる


恐ろしい何かに変化する


「(だから、、罪悪感なんて、、もう御免なんだ)」



『お兄ちゃん』



あたしがっ いるじゃないのー!


何となく、 近くでレンレンが、 満面の笑みで


ぎゅうっっ!と飛び付いてくるような感覚に襲われた。


花びらたちを撒き散らしながら。


淡い キレイな 桜の花びら。



多すぎる訳でもなく

少ない訳でもない


キレイな キレイな アイラン

キレイな キレイな 桜

キレイな キレイな 桜の花びら


キレイな キレイな レンレン


俺の

大切な 妹・・・



クライヴ「(彼女に相談とかしてみるかな・・・)」


霊力があるって噂だし。


ズッコケ「おーい、出来たぞ
ルナティックステーキ!」


階下から、すごい声が聞こえる。


クライヴ「(最初言ってたのと違う)」


いつも通りの父に、ホッと安心感を覚えるクライヴだった。



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