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いやなの



喬一は凛とした声で言った。


「・・・玉清仙人 出世妨げの件、取り消してもらおう」


ぎっくーん!


美織「(な、なんでバレてるの?!)」


あ、兄上が?

いやまさかそんな

天帝が?

天帝が 気の毒に思って相談したのかも・・・?


そうかも。


(勝手に疑われる天帝)


美織「い、いやよ!」


強い口調できつく拒否された喬一は驚く。


喬一「(何故・・・そこまで・・・)」


美織は、バツが悪そうな顔をして、両腕を後ろに組みながら、
うろちょろうろちょろしだした。


そして ピタッ と止まって 後ろを向いたまま言った。


「・・・そんなに玉清になりたい?」




そりゃなりたいけど・・・


喬一「何か事情でもあるんですか」


そ、それは


美織「偉い喬一さんなんて厭だからよ!」

くるっと振り向いて美織が言った。


喬一「?」

意味が分からない。


びしっ!と指をさして美織が言い放つ。


「あなたは自分のこと天帝だと思っているのよ

そんな存在が偉くなっちゃ駄目なの

偉そうで変わっちゃう喬一さんなんて嫌!」


「・・・・・・」


どう変わろうが、その人の自由なのに

しかし美織は妙に(尋常じゃなく)気にしている。


でも 僕は玉清になります。

喬一は言った。


ある目的があるからだ。


・・・


指もさされた。

偉い自分が厭だと言われた。


喬一「相当、、嫌われたらしいね」

思わず素の口調が出てしまう。


きっ 美織が両手をグーにしてバタバタさせながら言う。

「嫌いだったらこんなことしないわよ!」

へ?

顔を上げる喬一。


こんな

こんな 目をつぶる美織。


「こんな面倒臭いことしない!!」


ぎょ

「ぎょく、、玉清になったらきっと、、」

下を向いて絶望的な、、哀しそうな、、何とも言えない切なそうな顔をする美織。


・・・・・・


喬一はそれ以上の追撃をしなかった。


ハッとして美織が言う。


「ドールハウス!!」


喬一は諦めた。

「・・・しょうがない」



あっは!


美織は満面の笑みを浮かべた。



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