アレクシス「落とし前はきちんと付けるのが筋だ」
美織「でも!・・・でも」
そんな杓子定規に・・・
こう、、少し文系風に考えられない? 理系過ぎるって言うか。
アレクシス「仕方ないだろう。俺は理系だからな」
美織「あなたは機械なのよ。人間じゃないわ!」
くるっと振り向いてアレクシスが言う。
アレクシス「何でもかんでも曖昧にするとどうなる。
無法地帯になるんだ」
それはいずれ、「カオス」を生み出す。
アレクシス「法を守るためにはしょうがない」
違う!
美織「極端過ぎる。恐怖政治っていうか」
アレクシス「おまえは情に流されやすい
どうしたんだ。生前のおまえはどこへ行った」
美織「え、、そう?
いやっ 私はただ・・・」
下を向く美織。
くるっとまた背を向けて報告書のようなものをパラッとめくるアレクシス。
美織「もうひとつの面ね。ビジネスモードっていう」
それがメインだって知ってるけど。
再度美織に向き直るアレクシス。
「だからなんだ」
氷のようなオーラ。
美織「冷たい人。・・・冷たい・・・冷たい人・・・」
フ・・・と笑うアレクシス。
美織は冷たい男が好きなのだ。
「(矛盾してるな)」
・・・
くるり、と背を向けるアレクシス。
だらりっと雲の上に横たわる美織。
きゃんきゃんっ
手を伸ばして、スイッチを押して静止させる。
「御免ねシャオイーさん」
「何やってるんですか」
いつの間にか 喬一が両手を後ろに組んで美織を見下ろしている。
「今日の任務は終わった」
ごろ~んとする美織。
「お行儀悪いですよ」
両手を上げる美織。
「じゃ~持ち上げてよ」
喬一「自分で立ち上がろう!」
ごろごろごろ
じゃあいいも~んだ
ごろごろする美織
あ~あという顔をしていた喬一であったが、、
喬一「何かあったんですか!」
分かっているのに聞いてみた。
「アレクシスがあれなの」
すぐに答える美織。
アイリーンの前世の旦那さんいたじゃない。
あの人を、、少し納得出来ない層の地界に送るってー
あくまで要請しか出来ないけど
喬一「どの辺?」
「雪地界よ」
雪地界とは、雪がいっぱいある地界ではない。
地界には階層があるのだが、そのひとつのことを指す。
それは酷いよって言ったんだけど、
聞き入れてくれないのよ
「それは・・・」 喬一も少し驚いている
前回、「暗闇と花びらの記憶」で
喬一が
「これから、、
あることが起こる。
結構久し振りのことだ」
と言っていたのは、
「久し振りに 地界に行く人間が出る」
の意だった。
そんな予感がしていたのだ。
見事に当たったのだが、その内容が・・・
「罪悪感」を操作する人間は罪が重いんだって。
それでもう な~んにも聞かないの。
でもぉ 玉清仙人だから、、花篠娘々の私もどうにも出来ないし。
(※玉清仙人=最上位の仙人、花篠娘々=中位女仙)
あの人、根が冷たいのよ。
ど~にもなんなそう。
麗帆(リーファン)に会いに行こうかなー
喬一「あの人かー」
麗帆は男性なのだが、心が女性の女仙である。
(天界のニューハーフとでも言うべきか)
リーファ~~ン!!
抱き付き!
麗帆「きゃ~!美織ちゃ~~ん!
どうしたの?久し振りじゃないのー!」
美織「あれ? 麗帆、ちょっと胸おっきくなったんじゃないの?」
離れるふたり
麗帆「え? だってアタシ、シリコン換えてないわよ?」
美織「あれ~? ホルモン剤が効いてるってやつ?」
麗帆「あらやだ、そうなのかしら? 下界のやつでも効くのねぇ」
美織「私もしようかしら?」
麗帆「やだー 美織ちゃんは充分よー」
美織「いや、でも 胸でかくなりたいしぃ」
シリコンも、ホルモン剤も下界のものである。
天界にはない
(あってたまるか)
喬一「(いつも通り!)」
微笑ましく見守っている喬一であった。
(落ち着きすぎ)
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