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すみません。

STRいくつなんですか?

(※STR=ステータスの一種。打撃による攻撃力を表す)


「1」



・・・な訳ねーだろ


何で嘘をつくんだろう

ローグは思った。



本当よ。

普段私、弱いの。

喧嘩に勝ったことなんて一度もない



「(嘘ばっかりだなこの人)」


もう何を信じていいのか分からない



ただね、、


「本気で怒っちゃうと、、新しい私に

あ、いや、私じゃない、別の私になっちゃうの」


そうなると、、

すごい状態になっちゃって



何かを言おうとしていたが、要は その自分に持て余している、ということが言いたかったのであろう、と察するローグ。


でもSTR1は嘘でしょ・・・


思わずつぶやく。


彼女はパッとローグに向き直った。



「本当。 今私、あなたと喧嘩したら、、絶対負けるわ」



頭がおかしい人なんだろうか?

それにしてはまとも?なことは言っているようだし

っていうかどうしてこんな強い人間がSTR1とか魔法使いとか


そもそも全然関係ない人を 義憤?とやらのために(単語の使い方が違う)こんなことを。



思わず色んなことを考えてしまう。



迷惑掛けたわね。

さっきの、あのリーダー格のギロチンクロスと、後日話がしたいわ。


「もちろん、非暴力で」



復讐されたらどうするんすか。

あなた色々やられちゃうかもしれないですよ。



無表情になっていたが、「その時はその時よ」

随分と何かを諦めているような、何かしら巨大な余裕があるかのような、、

不思議な嗤い(わらい)をした。


じゃね。

ばいばい。


サクッ サクッ

くるりと背を向け 去っていこうとする彼女。



ローグは聞いた。



「あの」

先程の彼女の恐ろしい姿が蘇る。



あなたより、、強い人っているんでしょうか


おだてている訳でも、彼女を怖がっているが故に出た言葉という訳でもない


単純に疑問だった。



いるわ

後ろ姿のまま、彼女は言った。

少し振り向き、「私の夫よ」 と言った。


夫!


さぞかし、、、

ぶるると震える


「(素手で喧嘩してこの人をこてんぱんにする男・・・)」

・・・なんだろう多分。


でも、、オズマンド先生には勝てないみたいだけどね

彼女が言った。



「(オズマンド先生??)」

オズマンド先生とは、モロクにひとつしかない医院に勤めているあやしい医者である。


「(確か本職はシャドウチェイサーで、ヤシの樹みたいにでかいあの変な人だ)」

(※シャドウチェイサー=ならず者系の最上位職)


ズッコケという本名があるが、初代のオズマンド先生の名を引き継ぎ、「オズマンド」を名乗っている。



何故この人は嘘ばっかりつくのだろう

ローグは本当に呆れるしかなかった。



この凶暴な人を押さえつけることの出来る男がいて。

それが彼女の夫で。

その彼女の夫を、更に倒すことが出来るのが


あの変な人?(オズマンド先生)



訳分かんねーよ



・・・


・・・


しばらくの沈黙。



「あの、あなたのお名前は何とおっしゃるんですか?」


最後に聞いてみた(もう近づきたくない的な意味で)


不良とは思えないような丁寧な言葉が出てくるという不思議な現象にびっくりする女ハイウィザード。


「メイチー(美織)。東洋系よ」


東洋系はこの世界では極めて珍しい。

ほ~そうなのか。


色んな人がいるものだなぁと


後ろの仲間が倒れているのにも関わらず(イグ実も持ってるにも関わらず)感心して
うんうん、と頷くローグであった。



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