RO小説本編の目次  >  夜桜の精の目次
       

 

 

 

分かりにくい



オホホホホ オホホホホ ってさっきから

何なんだ!
意味分かんねぇ!

耳障りだ!


バチィーンンンッ!!


アレクシスは桜の樹の下の女性を思いっきり引っぱたいた。



レンレン「ゆっ」

アイリーン「ゆっ」

イザムバード「ゆっ」

メイチー「ゆっ」

シャオイー「ゆっ」



幽霊ぶったたいてるぅううぅぅ!!



マサルさん的な雰囲気が1、2秒漂った。


あれ?

メイチーが気付いた。


「きょ、喬一さん!」

思わず天界読みで呼んでしまう。


シャオイー(喬一)がビクッとしてサッと下を向いた。


シャオイーとは メイチーの幼馴染で、訳があって離れなければいけなかった

そんな関係の人物であった。

(彼も天人。プリースト系天人。もっと言うと殴りプリースト系天人)



あ、あ、あ、


幽霊をガン無視してメイチーがブルブル震える。


「あ、あ、会いた・・・か、、った、、、」


ポターン


あまりにも涙が落ちるのが早いくらい、

涙腺が一気に緩くなってしまっていた。



シャオイー「話は後!」


サッと体勢を整え、桜の樹に目を移した。



一体どうやって、この入るのが難しい異空間に入ったんだろう、、とメイチーは考えたが、

「(いかんいかん!)」と考えを散らした。



レンレンはすっかり緊張感が取れたのだろう。

スタスタと桜の樹の下に行き、アレクシスを制して 女性に言った。


「だいたい、、分かるよ」


パッと顔を上げ、レンレンの顔を見た。

女性の顔は涙で濡れ、化粧が落ちてドロドロになっていた。

でも口紅だけは落ちずに、真っ赤に光っていた。


「ひとつだけ分からないの」

レンレンは言った。


どうして、、アイリーン伯母さんたちを連れてきちゃったの・・・


女性はあぅあぅ言っていたが

聞き取れるような言葉になっていき


「幸せそうな夫婦が、、恋人がいやだったの」

とやっと言った。


なぜ?

問うレンレン。


「私は不幸だったから」


不幸な恋愛をしたの?

レンレンが「本当に子供か?」的な質問をする


「違う。私は男たちのおもちゃにされた

辱められた

女として不幸だった

悲しかった」


うぅっ


女の心や精神が直接流れ込んでしまうのだろう

レンレンの心臓が痛んでいるようだ



「だから、、私と違う、、幸せそうな恋人が羨ましかった」


レンレンがぜぇぜぇしながら言う。

胸を押さえて。

「でも、、アマツにはたくさんそういう、、夫婦とか恋人がいるわ

何故アイリーン伯母さんたちだけ」



特別愛し合っているように見えたの


目を見開くレンレン。


そしてバッと後ろを向き、アイリーンとイザムバードを見た。


「ま、マジで?」



アイリーンたちは うっ と言うような顔をした。

「だいぶ、、分かりにくいけど 愛情だけは あるん、、だと」
思う。

でも表現だとかそういうのが合わなくて

でも愛情「だけ」はあるって

そういう話


とつとつと語るアイリーン。


腕を組んで目をつぶり、わざとらしく寝た振りをするイザムバード。


今度はアイリーンたち以外が目が点になる番であった。


(さっきから無視されたり色々されている幽霊)



現代ファンタジーのオンライン小説 | ものもの



BACK「点」  NEXT「九宮」


WEB CLAP  ひとことでいいですよ。&感想書き逃げ大歓迎同盟