マックとミリーの大目次  >  マックとミリーの小目次・2
       

 

 

 

絶対的な



ここは龍宮城でしょうか

と思われるような豪華な宮殿。
(お城、ではない。宮殿)


カチャッ

使用人がドアを開けて、そしてそこから入ってきた黒服の聖職者。

くるっとそちらを見て、部屋で寝ていた人物が「おっ」と声を上げた。


「来ましたか!」

寝ていた人物は大変嬉しそうだ。

「具合が悪いと聞きました」
入ってきた黒服の人物が言う。


そうなんです、と寝ていた人物が言い掛けている途中で、


 
ドタドタドタドタドタドタッ!!

ものすっごい勢いでたくさんの女たちが部屋に駆け込んで来た。


「ナイトライド先生ー!」

「大丈夫ですかぁあぁー!」

「年賀状のあのイラスト可愛かったですぅううぅ」

「ひな祭り~ひな壇~可愛いの買ってくださぁ~いv」

「それよりバレンタインチョコどうでしたかぁ?」

「先生お具合はぁぁぁ?」

「ちょっとあなたたちうるさいわよ!!」

「あなたの声のほーがうるさい!」

「独り占めしようとすんじゃないわよ!」

「出し抜き?出し抜きする気ね?!」

キィキィ ギャーギャー ギャオギャオ


しばらく見守っていたふたりだったが、

氏が「五月蝿い!おまえたち!礼をわきまえぬか!お客人の前ぞ!」
と一喝。

しーん・・・


嬌声(女性の黄色い声)がピタリ・・・と止んだ。


しずしず・・・と
女たちはたったひとことの言い訳もしないまま、心底御免なさいという顔をして

下がって行った・・・。


「これは見苦しい姿をお見せしてしまった。

あの者たちは私の妾たちでね。どうも私の監督不行き届きと言うか。
いや、とんだご迷惑を。申し訳ない」

ベッドの人物が謝る。


シャオイー「いえ」


ベッドでの人間は、

ナイトライドという人物で。
 
殴り聖職者と呼ばれる、自分自分に様々な支援魔法を掛けて敵を倒す、という冒険者職の人間である。
白ひげを付けていてふざけているように見えるが、(もち白ひげは付けひげ)
白ひげを付けていてふざけているように見えるが、(もち白ひげは付けひげ)
かなりの実力者であり、努力の人であった。
(いや、天才を兼ねる?)
 
何故か権力者に気に入られ、具合を悪くしてから長らくその人の豪邸で過ごしていた。

「ハァッ・・・」

深いため息をつくナイトライド氏。
ピーー のひとつふたつみっつよっつ揉んでおけば良かった・・・」

シャオイーに振り返って言う。「今からでも大丈夫でしょうか!」

「今からでも大丈夫でしょうか!」

シャオイーと呼ばれる黒服の、、こちらの人物も殴り聖職者なのだが、、に聞く。

 
「かなり落ち込んでいる様子だったから、そっとしておくのが一番です」

シャオイーが冷静な意見を言う。


一見、無の存在で丸に点がふたつしかないんじゃないのか というくらい何もないように見えるシャオイー。
しかしそれは表向きの姿であって、
実はかなりの負けず嫌いで、
自分よりも優れた者を冷酷無比に次々となぎ倒すという恐ろしい面が眠っている。


・・・

この恐ろしい人物も、、ただひとり 勝てない人物がいた。



「頭のひよこ、、面倒見るの宜しく!」

目の前で寝ているナイトライド氏である。


頭の上でひよこを飼っているのだが、そろそろ限界が来たらしい。

シャオイーがそっと近寄り、ひよこをそっと持ち上げる。
ナイトライド氏の頭は長い事お風呂に入れなかったために出来た大量のフケと、

ひよこの(略)で埋まっていた。


使用人に、ナイトライド氏の髪をたっぷり洗うように指示をし、その間にベッドのシーツや毛布等全部の交換も指示するシャオイー。


<間>


ナイトライド「気持ち良くなった!」

「けどやっぱりピーーみたかった!」


横たわったナイトライド氏はわがまま一杯なことを言った。


ひよこのエサ、飼育方法を詳しく聞き、世話をすると言ってヒザの上にひよこを置くシャオイー。

ナイトライド「そういえば、例のエンドレスタワーのところに「王」が現れたようですな!」

 
・・・

普通はひとりのはずのに、何故ふたりも?

ナイトライド氏もシャオイーも疑問だった。


「無事、解決するといいですね」
活躍の場がなくてつまらないシャオイー。

「そういえば風邪は大丈夫ですか」
訪ねた理由を述べる。


「ちにます!」
即答する氏。

 
ナイトライド氏は精神性の高い人間である。
何か巨大な精神性が動く時、(宇宙間でもそう)いつも具合が悪くなったり

逆にすごく元気になったりするのだ。


前に「スーパーフレア(太陽熱の過度の爆発により地球に被害が出る現象)」が騒がれた時もやばかった。

みたいなことを言うナイトライド氏。


今回も、・・・強い精神性がどこかで動いて、、

おそらくあのエンドレスタワーのあの空間内で、、

シャオイー「(それで共鳴して、具合が悪くなっているのかもな)」


尊敬する人間には最高級の礼儀を尽くすのが龍の刻印を持つ者のサガである。
(龍の刻印と言ってもお洋服が龍の刺繍があるってだけだけど)


このままずっと、

ナイトライド先生が元気になるまで、お見舞いに来よう、と思う
(あとひよこの世話)シャオイーであった。


現代ファンタジーのオンライン小説 | ものもの



BACK「やっと得たもの」  NEXT「あちこちに」


WEB CLAP  ひとことでいいですよ。&感想書き逃げ大歓迎同盟