なつさんはそのまま倒れ、夢を見た。
吐しゃ物から鉱山の神、
尿から水の神、
便から土の神、
血から剣の神、
膿から栄養の神、
鼻水から薬の神、
汗から塩の神・・・
はる、たくさん産んだよね。
っていうか産みすぎだよね。
死にそうな非常事態だからこそ、
たくさん神様が産めると思い、
はるさんは頑張りまくっていたのだ。
ムクリ...となつさんは起き上がった。
まだ、国造りは・・・完成していないよ
夜、いつかはるさんと、
ものを「産みだ」すには
肉体だけじゃ、駄目なんだね。心も必要なんだね・・・
としんみりと言っていたあの日を。思い出していた。
一瞬、信じられないくらい美しい女神が現れて、すぅ・・・っと空に上がっていった。
手の平を見た。
人差し指と中指に涙の跡があった。
そしてスッと消えた。
「(涙の跡か・・・)」
はるさんを想っての、涙が神を産んだのだ。
水の夢。
彼は、絶対にやっちゃいけないことをやった。
絶対にそれだけは!という。
マナー違反というか。
結構陽気に黄泉の国へ繋がる、黄泉比良坂(よもつひらさか)を歩いて行った。
第一の扉があり、そこでの門番の存在と言い合うなつさん。
「なつさん、こんなことすると精神:肉体、の配分が、葦原中国と同じになってしまいますよ。
あなたがお創りになった・・・」
「それでも構わない!」
ちなみになつさんの精神:肉体は『測定不能』である。
門番は扉の中にいて、そして扉は横にすごーく長い。
あまりになつさんが通せ通せとすごいので、
とうとう門番は折れ、
「すぐに戻って来て下さい(涙)」
と、扉を開けた。
ちなみに、右から開く。
二番目の扉。
負けずにガンガン、理屈をこねて、門番を言論で言い負かすなつさん。
「すぐに戻って来て下さい(涙)」
二番目の扉も開いた。
三番目の扉。
分厚くて、中から聞こえる門番の声はとても低くて太く、威圧感のある声だった。
だいぶその門番に手こずるなつさん。
しかしとうとう、門番がこう言った。
一番右の端の、だいぶボロボロになっている場所に行って下さい。
小さな窓もあります。
そこへ、はるさんを連れてきた。