第4話:配分
もともと仲良しだった、なつさんとはるさん。
お互いの部位(変な言い方)を合わせる上で、「愛」というものが生じたのを
お互いに気付き、
普通に肉体として合わせるのではなく、
愛情によってそういう行為をしよう、という結論に至った。
はるさん「独神どころか、もっと大きくて素晴らしいものが出来るかもしれないわ」
と言う彼女。
なつさん「でも私たちはずっと一緒にいた訳だから・・・
もっとこう、知らない者同士で会う、みたいな感じにした方がいいような気がする」
これは「近親相姦はいけない」ということを本能の部分で感じとっている、ということなのかもしれない。
オノゴロ島はかなり大きく、外周を全部を歩くと五時間ぐらいする。
お互いが反対周りで歩いて行って、出会った時に「他人のような気分」になれるかも、となつさんは考えたが・・・
特にふたりは何も感じなかった。
正真正銘、兄妹、なのだなとふたりは思う。
「気を取り直して
ものを作りましょう」
とはるさん。
バリッバリッと「生命の実」であるザクロをかじり、それを混ぜ合わせ、
「精神:肉体配分装置」を作る。
早速考えるふたり。
「(・・・あれ。
えーと。あれをすると出来るかもしれない、
・・・のはただの予想であって。何も生まれないかも)」
慎重になる はるさん。
はるさん「んーと、、精神:肉体・・・6:4かしr、、」
「8:2だ」
莫大な精神配合に驚くはるさん。
精神にこだわっているのだろうか。
・・・
そして生まれたのが長男の
肉体は予想通り、とても弱かったが
「ちゃんと生命が作れたわ!」
と喜ぶはるさん。
「良かった。生命は作れた」
となつさん。
御免ね。しっかり育てないと。
「ベビーベッド」みたいなところに慎重に水蛭子を運ぶはるさん。
「ちょっと何かこすっちゃったりすると怪我しちゃうのよね。
気を付けなきゃ・・・」
生命が作れたんだもの。
次は「島」ね。
島作りを試みるふたり。
「うーんと。
島だから・・・
6:4・・・」
「9:1だ」
なつさんがキリッと言う。
すごい比率に驚きを隠せないはるさん。
島だから、生き物と違って、丈夫だから大丈夫だろう、というなつさん。
あまりの威圧に、飲み込まれるはるさん。
「これは見事な泡島だ」
「これじゃあ、ドロドロの沼(海のこと)に浮けないわ。
沈んじゃう」
固まるまで待つことになり、そーっと、はるさんは
魂は少女の島を安全なところに移した。
(オノゴロ島で一番いいところ的な)
「可愛い女の子ね
次は女の子なのね」
少し微笑むはるさん。
「生命が生まれるのを証明、
島も作れるのも証明された」
「じゃあ島を作りましょう」
はるさんは張り切っていた。
「次は・・・5:5ぐらいがいいわn、、」
なつさん「7:3だ」
なっ、、とはるさんはなつさんの方を向き、たしなめたが、
なつさんは頑固に譲らなかった。
はるさんは結局、なつさんのことが好きなので折れるしかなかった。
しかしこの配分こそが、日本及び日本人、
そして神々の素晴らしい姿を作ってゆくことになる。
第1章:天地創造「第4話:配分」
第1章:完
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