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ふることふみ

新解釈の古事記 
TOP章ごとの目次第4章:葦原中国での話

第1話:もの


高天原から下に戻り、
つまり葦原中国に戻ったスサノオ。

根之堅洲國(ねのかたすくに)、
通称『根の国』という、
黄泉の国に近い場所がある。

根、の国というくらいなので、地下の国だ。
黄泉の国にとても近いと言われている、少し生者とは縁が遠くなった世界である。

「(父上は、空気を読んで何処に行くかぐらい何となく察して、分かって下さるだろう)」

そこいらは甘えさせてくれ、と(黙って見逃してくれ、の意)スサノオは思った。



歩いていると、ザザーッと波の音が聞こえた。

「(海が近いんだな)」
自分が治めるはずだった海。
俺は治める器じゃない、さらばだ。
スサノオは潔く言った。

そしていつの間にか、波打ち際で寝てしまった。

海の中で漂う、無重力間の中にいるような、不思議すぎる気持ち。
体が軽くなって、・・・

ハッとして目を覚ますスサノオ。

横には、うわー・・・と思わずつぶやくくらいの美男が。

「誰だ君は!」

かつて父親に言われた台詞を言うスサノオ。

・・・
「私は、あなたの子です」

・・・

・・・?

かつてアマテラス・ツクヨミ・スサノオの三柱でなつさんの前に現れた時の
あの情景を思い出すスサノオ。

「昨日、あなたが海で私を作りました。
私はヘビの神なのですが」

なるほど、と思うスサノオ。

ヘビは金運に繋がります。
経済的なもの、生産的なもの、・・・そういう「もの」に繋がります。

彼の精神:物質数値が、ブレまくっているので先程からそれが気になって
仕方がないスサノオ。

7:3
3:7
7:3
3:7
...

「それはですね、『もの』に繋がるというか、縁が深いので、そうなっているのです。
基本は7:3ですが。
私は『もの』関係のようで」

精神と物質。

精神は「心」、そして物質は「物」
である。

お金とか、丈夫な肉体とか、容姿とか。
そういう、目に見えるものが『物』なのである。

物質だって大切だ。

「(このこは俺のマスター・ピースなんじゃ・・・)」
顔が、、というか、容姿が素晴らしいのは
もの、に関わる神だからなのだろう。
スサノオはしみじみ思った。

「君は、そうだな。うん。
・・・もの、に関わる神だから 大物主 おおものぬしと名乗ったらどうだね」

かつての、父親の口調で命名するスサノオ。


挨拶を交わし合って別れる父息子だったが、

いい男だな・・・しかし・・・
と感心する(というか驚く)スサノオであった。

基本は、なつさんとはるさんがつくった「7:3」配合だが、
3:7にもなる。

何と言う希少な存在だろう。
そしてもの、にまつわるなんてきっと、葦原中国では唯一の存在なんじゃないか・・・

もう最高傑作(マスター・ピース)は作ったし、
「(これで心置きなく、根の国に行ける)」

やはりまだ吹っ切れないのだろう。
母が恋しいスサノオは、黄泉の国に近いと言われる、根の国に向かった。


第4章:葦原中国での話「第1話:もの」


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