第2節:オサム記
第5話:オサム記(5)
そこには、何ともナチュラルな顔をした、
明るくて「お姉さん顔~~」をした素敵な女性がいた。
現代で言うところの、軍隊での「敬礼」のポーズをした。
じわっと出た涙に、「涙出るの早っ」と思いながら
オサムはサッと右目を拭いた。
女性はオサムの傍に来て、
しゃがんだ。
「また会えたね」
・・・
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体育座りをしながら、
黄泉の国の食べ物を食べるふたり。
黄泉の国食べ物は、少しクセのある香りのある(線香の香りに似ている)握り飯のようものだ。
オサム「どうして君、大人になってるの」
少し口調が変わっているオサム。
玉虫姫は言った。
「昆虫ってさ成長が早いの。私何度も小さくなったり、大きくなったり。
それを繰り返してるの」
彼女が言うには、昆虫は死ぬと、
黄泉の国で何度も何度も生を繰り返すのだという。
昆虫が最も生きやすいのが黄泉の国であり、そのために黄泉の国に居つく、、と言ったら
言葉が悪いが、そうなるのだと言う。
「でも、大切にされたり思い出のものにされたり
人間とか、神様に可愛がってもらったり。
そうすると、やっと魂として昇華出来るんだっ」
少し切なそうに言う玉虫姫。
オサムは、昇華したいのかと聞いた。
玉虫姫は「昆虫はみんなそうだよ」と答えた。
「ぼぼぼ僕さ、昆虫って すごく好きなんだよね。
何て言うかさ、すごく良いっていうか。
む、昔から」
本当かどうか分からないような必死の言葉を並べるオサム。
その時玉虫姫は立っていて、
後ろのオサムを振り返って見ていた。
冷ややかに。
「あーそうだ。
ぼぼ僕、生まれ変わることになってるんだよね。
で、生まれ変わったら「虫」って名前付けようかな」
は?と白けたように言う玉虫姫に
「ほ、ほんとだって!」とオサム。
今まではあまり人の機嫌を取るとか、
焦るとか
めったにしなかったはずのオサムが、
少し汗をかきながら
玉虫姫の冷ややかな顔を少しでも和らげようと
必死になっていた。
そして、まずふたつの質問をした。
1、何故夢の中に現れることが出来たのか
→昆虫は黄泉の国で少し優位な立場に立てる。
そのため、少し特殊な能力を使えるから。
2、何処で、僕の絵(はるさんの似顔絵)を見たのか
→・・・
オサムがすごい熱意ではるさんの似顔絵を描いているところを見て、
何やってるんだろうと遠くから見ていて、
はるさんが絵を持って去って行った後に、
パタパタとはるさんに付いて行って、それで絵を見た―・・・
ということだ。
「どんな絵だった?」
オサムが優男風に背を向けて聞いた。
「は?だから良いから『私を描いて』って言ったんじゃん」
言葉は悪いが、さっぱりした口調なので全然悪い感じの口調ではない。
「良かったよ。だから描いてよ」
少し下を向きながら、照れを隠して言う彼女。
第7章:その他「第2節:オサム記 ー 第5話:オサム記(5)」
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