小さな世界 > 第1章「妃羽」
流れてゆく
麗海「お疲れなのではないですか」
休憩時。
第2秘書の麗海が暘谷に声を掛ける。
ふー、と書類に向き合い「いや、大丈夫です」と暘谷。
鴻日「そういえば、妃羽さんとはいかがなのでしょうか」
え
暘谷「いかがって?」
向き直る暘谷。
噂になっているんですよ
威俐様の奥方を、と。
と暘谷。
!
暘谷「(今まで意識しなかったけど
そういうこと、、になったのか俺←いまさら)」
「(あーなんかやだやだ)」
・・・まぁ
暘谷「ほどほどに、上手くいってるよ
多分・・・」
そんなことより
暘谷「(威俐様から引きはがしたんだよな俺)」
とても厭な予感がする彼。
妃羽「んー、ここは。んー、、違うなぁ」
♪♪ ♪♪♪~
♪♪
♪~
「ふぇい~ゆ~、さん!」
え?
妃羽が振り向いた。
愛衣がいた。
妃羽「あっ!」
数日前。
トマト(鈴玉)『恐らく愛衣さんがいらっしゃるでしょうから』
妃羽『うん、その時はサプライズで通して』
『いきなり驚きたいの』
トマト『かしこまりました』
妃羽「愛衣さん!」
外のテラス。
丸いテーブルでお茶をする愛衣と妃羽。
愛衣「ずーっと泣いでまじで・・・
どうしていいかわがんなぐで・・・」
?
「ピアノ?」
一連の出来事を聞く愛衣。
楽譜を見る。
愛衣「こんなに・・・すごい・・・」
妃羽「ちょっとね 頑張っちゃった」
愛衣は言った。
「でも、いいんですか?
確か本が好きって」
♪♪♪ ♪♪~ ♪♪♪
愛衣「・・・」
♪♪♪♪ ♪♪
♪
愛衣「ブラボーッ!」
パチパチと愛衣が拍手をした。
「はは、そんな」
愛衣「それ、、何か、、恋する曲ですか?」
妃羽「ばりばり恋する曲です。威俐様への・・・」
え・・・
愛衣が楽譜を見る。
赤くなりながら妃羽が言った。
「その、大好きな人ですから」
魂がこもり、それが珠となって上に上がっていくような曲。
妃羽「え?」
愛衣「歌詞を付けると良いと思います!
良い曲ですし!」
歌詞・・・
妃羽「愛衣さんが付けてくれませんか?」
愛衣「え?あの」
ボストンビル、『チョッコレー』
騒がしいビル内。
・・・
鴻日「先程のものを提案します」
会議室・F。
飲料水のデザインについて検討会が行われていた。
(だいぶ後半)
白衣を着た女性が窓を見ている状態から振り向いた。
女性「あら?」
女性「それだと、軽いわ
何か別のものを」
(話し合い)
(鴻日と女性の対話だけ)
終了時。
全員が「部屋から去りたい・・・」と思っていた。
女性「よく・・・分かりました。
もう終わりにしましょう」
議長っぽい人「解散!」
男性「確かにあの人、人の話聞かないですぐに決めちゃうけど」
・・・
まぁ確かに
「毎回思うけど、会議とかやってる意味ないよな」
「でもあれはまずいだろ(汗)」
鴻日「言われたがってる顔してたから」
し~ん・・・
柔の鴻日と、剛の暘谷。
飲料水の検討は少しずつ、、深まっていった。
このふたりを二柱にして。