小さな世界 > 第1章「妃羽」
妃羽とは
剣を携えた、、セミロングの女騎士。・・・いや剣士。
白いチャイナドレスに身を包んだ眼鏡の召し使い。
骸骨の番人
シーフのような少女騎士
酔っ払った踊り子
とんがり帽子・・・杖を振るって魔法を掛けてくる魔法使い。
「威俐様」
「威俐様」
・・・
ガタッ
威俐が呼ばれて立ち上がった。
魏家の執事がいた。
「麗海様がいらしております。こちらにお通ししても宜しいでしょうか」
威俐はそのまま椅子に座った。
バンッ!
威俐のデスクを両手で叩く麗海。
ここは魏家の大きな会議室。
「私室で話すよりもビジネスの空間で話すほうが冷静になれるだろう」
ということでここに来たのだ。
威俐はデスクに1台のパソコン、2台の電話機、3つの携帯電話を置いている。
麗海「ですから、暘谷さんが抜けると困るんですっ!
あの人あっての秘書陣なのですから
一体・・・その」
チェアをくるりと回して麗海に背を向けて、そのままの格好でいる威俐。
キィ...
チェアを回して麗海側に向き直る威俐。
威俐「何を、言っている。
私はいつも通りだよ」
普通の顔。
麗海「(嘘よ・・・)」
急に冷たい顔になり、威俐が言った。
「そういうことだ」
薄い透明なガラスが張られたようで、あった。
麗海の家。
麗海「はぁっ」
書類に、たくさんのマーカーがついている。
やったことのない様々な分野。
暘谷なら3倍の効率で出来そうなもの。
(大量)
暘谷しか覚えていない様々な要人(結構脇役)の名前の一覧表。
やれる訳ないじゃん。と麗海は絶望的になった。
・・・
「(今まで、ボス(鴻日)も私も、暘谷さんに頼りっきりだったって訳ね・・・)」
(麗海は鴻日を『ボス』と何故か呼んでいる。クセだろう・・・)
ため息をつく麗海。
蜜柑を食べながら、書類に目を通し、ペンで色々と細かいことを書いてゆく麗海。
あの日―・・・
威俐『侯 妃羽。愛人(あいれん。大切な人)だ』
無表情で言っていた威俐。
周りが『やっぱりそうだったの?嘘じゃなかったの?』『いやこれ余興か何かでしょう?』
という雰囲気に包まれた。
「こいつ← じゃないと駄目なんだ!いちいちうるさい!」
シンプルに言葉を放つ威俐。
ざわ.....
男性『あんな・・・一般人を・・・
一体何処で?(汗)』
女性『気でもふれたのかしら』
『ちょっと(汗)』
野太い声の男性『私は反対だ!これが世間に知れたら、どうなるか!
そんな平凡な!』
『意味が分からん!』
『何かご不満でも?』
がやがやがやがやがや
その場所は魏の屋敷の大きなホール。
集まっている人々は親戚や近しい人間たちである。
威俐は余裕の笑みで言った。
『私が決めたことですから』
し・・・ん・・・
騒がしかった空間が水を打ったように静まる。
麗海『(・・・威俐様)』
○○氏は△△の話題が嫌いで、
◇◇◇氏は長話が好きで、途中さえぎってはいけない
カリカリッ
ここは10分までだけど、13時からは、、15分、、
書類はあらかじめ色付きクリアファイルに、、朝のうちに、、
そのまま麗海は寝てしまった。
少女『こんにちは麗海さん
あなたは大切なお人形』
目の前の魔法使いのような少女が言う。
少女『だから、ここにいるの。ずっと傍にいてね?』
少女は麗海に微笑み掛けた。
ジリリリリリッ!!
麗海「あ"っ」
いつも通りの朝。
今日は朝日が眩しい。
「(夢見たな・・・何だったか)」
ふぁ~っと欠伸をする麗海