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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第2章「パン・オンライン」

この世界で

ティア草原。
(レベル低い人向けの狩場)

一気にレベル1→30まで上げて、座りながら体を休めている理々。

理々「ふうっ」

空を見上げる。

Are U taking rest?(休んでる?)

「(雲文字出るんだー)」


そういえば

思い出す理々。

「(やけに空を見上げるの好きだったのって、上の世界に、行きたいからだったのかな)」


あの日―。

愛花がトルストーネ渓谷から去ろうとした際に、理々が声を掛けた。

理々『待って下さい』

他のプレイヤーは?
その人たちもっ まさか・・・
帰れないってことに

愛花は言った。
「ない。
それはあなたが望んでいることじゃないから」

え?
『望んでいることじゃない』に反応する理々。

ジャリッ
理々に振り向く愛花。

「・・・あなたの精神力は巨大だった。
母親に対する様々な像。想い。
それが 『パン・オンライン』 を作った」

理々は後ずさりする。

続ける愛花。

「この世界はあなたの心。
ずっと空想の世界で遊びたいと思っていた。

プレイヤーたちは戻れる。
あなたは、戻れな...」

理々は叫んだ。
「ふふふ藤波先生は? あ・・・愛花さんは?」

ひゅうっ

風がふたりをさえぎった。

・・・
うっそ
理々「私が!私が望んでるっていうの?閉じ込めるのを?」

・・・

母親代わりの人間。
上の世界の人間。

母親代わりは「藤波裕也」「愛花」
上の世界の人間は「愛花」


憧れだったから・・・
理々は肩を落とす。


「空から 私を、下ろしてくれて有難う」

あ・・・
呆ける理々。

ゴシゴシッ
ふぅ

パッ
愛花を見る理々。


エメラルド・ブルー。

空色、の瞳。


・・・


現在―。


カンッ!

理々「(この空より、綺麗だった)」

カンカンッ!
剣をモンスターたちに打ち付ける。

ビーッ ビーッ!
♪♪
「You've reached the Level 32.
Congratulations!」

理々「ふぅ」


どすっ

尻もちを付き、HPゲージ(体力値)がぐんと減る理々。


回復剤全部使ってこれだなんて・・・

少し涙ぐむ理々。
かなりぼろぼろで傷だらけ泥だらけだ。


「おいっ」

裕也が白馬に乗って、理々の目の前に現れた。

裕也「はーっはっは。すっごい顔してるぞ あはは」

ハッ
先生ったら!よくも!

裕也は笑顔で逃げ、それを理々が赤い顔をして追い掛ける。


ポイッ

「戦利品」

キャッチする理々。

『ミラティー(最高の回復剤)』

裕也「まぁそれで頑張れよ」

カーッとなる理々。

先生!
「お手合わせ願います!」

ダダダッと裕也を追い掛ける理々。



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