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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第2章「パン・オンライン」

好みの

パン・オンライン。
理々の精神力で作られた、、幻の世界だ。

イヤだ。こんなの悪夢よ、と思う理々。
くそ、早くここ(パン・オンライン)から出たい。と思う裕也。

巨大な空間なだけで囚人と同じ。
理々が、レベルを上げてどうこうして・・・
敵をやつけて最後のラスボス(ラスト・ボス)を倒して初めて、
『この世界』から抜け出せる。のだそうだ

(愛花が語った)

それまで、『繋がれた囚人』なのである。

裕也「(何かの罰ゲームだろ・・・)」
現実逃避をして余裕を取り戻そうとする裕也。


えいっ えいっ
昼食後、包み紙を丸めてポンポン交互に投げて遊ぶ理々。

・・・

理々「(藤波先生、怒ってるよねやっぱ)」

あの時誘わなければ・・・と思っていると。

「俺はー」ジャリッ
後ろから声が響いた。
ビクッと驚く理々。

裕也「き、み、が・・・(疲れている)受験、、終わってから。
に、・・・」

ばっと振り向く理々。

理々「分かってますヨッ!でもどうしようも・・・」

バササササッ
四方八方から鳥たちの羽ばたく音が聞こえた。



もぐもぐ(←やっと昼食を食べている)。
だらしない格好で座る裕也。

さっき、色々・・・街とか見たんです。
沈んだ声で言う理々。

「食事から、小物から装備の趣味(服)から、
何から何まで、『私好み』になってた」

裕也「―・・・」

・・・



手をパンパン叩く裕也。(食べ終わりだ)

空を見上げながら裕也は言った。

「君の、世界だからな」

理々「うん・・・」

はい、ではなく「うん」と言う。


1、元の世界に戻った時に受験勉強の内容を忘れないように、ちゃんと勉強しておく。
2、ラスボスは誰だか分からないけど、先生をちゃんと責任持って元の世界に戻す

・・・というようなことを理々は言った。


受験勉強の参考書は何故か本屋に売っていた。
理々好みの世界だからだろう・・・


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モンスターを倒すと経験値がもらえ、経験値をためればレベルが上がる。

最初からレベルがMAXの裕也はひたすら銭稼ぎだ。

モンスターを倒すとお金が手に入る。

高レベルのモンスターはお金をたくさん落とすのでひたすら高レベルの狩り場に行く、、という訳だ。

馬から降り、狩り場の手前で腰を下ろす裕也。
「(狩りにも飽きたな)」

うつらうつらしだす。(退屈すぎて)
「(平和だよな。金稼ぎがモンスター倒し)」



ハッ

起きた時、すでに夕方になっている。

「おっ、、あ、、」
汗をかく。


馬をゆっくり走らせながら、帰路に着く。

裕也「(前から疑問に思ってたけど。聖職者もいないのにどうして狩りが出来るんだろう。
回復役がいないとどうしようもないよな)」

他のプレイヤーたちを見てもたいていは回復役がいる。

ん?

「(最初から俺は、、剣士のレベルMAXだった。回復役も要らないほど強さ?があって)」

『君の、世界だからな』
自分の言葉が蘇る。

・・・

「(まさかね)」



理々『何から何まで、『私好み』になってた』


世界で一番強い剣士で、回復役だって要らない。
そんな、無敵の騎士が「藤波裕也」だった。


・・・
裕也は真っ青になって、今乗っている白馬を見た。
(前見て!)

「(たくさん、、馬がある中で。何故か『白馬』が俺を選んだってことは・・・)』


理々『白馬の王子サマッ!』

裕也「はーはっはっ(疲)」

「(参っちゃったねー。俺白馬の王子様だったんだー いやはや)」


バッタ~ン
宿屋の部屋のドアを開けた音だ。

食卓テーブルの椅子に腰掛けている理々に、裕也が花束を差し出した。

「お姫様。花束をどうぞ」


目をぱちくりさせる理々。
「な、何?」
とても警戒した姿勢になる。

「白馬の王子様からのプレゼントですよ」


「はぁぁぁぁっ?」

でかい声が室内に響き渡る。


<しばしの言い合い(外に丸聞こえ)>


シャッ!
仕切りのカーテンを閉め、理々が自分のベッドに入っていった。

「そういうのはぁ、私の剣に勝ってから言って下さい!」

裕也「あはは、御免・・・。
ちょっと変、だったよね?ハハハ・・・」
汗をかく裕也。


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