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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第2章「パン・オンライン」

ガヤガヤ

パラッ...

図書館。
とある国の首都。

そこの大きな図書館である。

ふっふ~
理々は本を読んでいた。

・・・
ガヤガヤ ガヤガヤ

男性「おーいー、あの子超可愛くね?」
えー?
「うおっ な、行く?近く」
「ばっかやめろよ」

夢中になって読む理々。

うっほ 可愛いー
男性が思わず大きな声を出す。
「ってか怖い・・・」
「可愛いけど何か・・・」
いいじゃん声掛けっぞ

ガヤガヤ

ガタッ
「ねぇ君さ、何やってるの?」


理々が顔を上げる。

う"っ!

男性陣が後ずさる。

「・・・はい?」

・・・

『なっ なんでもないですーっ!!』

3人いて、3人ともハモりながら颯爽と去って行った。


ふっふ~♪
すぐに本を読み出す理々。


目立つー。
美人よねー。
「何処かの女優さんかしら」
「でも若くない?」


「えっとーホラ『ネイティブアメリカン』?
「あーそうね」
「あとそうそう」
「台湾ー」

「あれよね ごっちゃ煮」
「中華とー和風、、はないか洋風とー」
「でもやだ、ちょっと。聞こえるわよ」


パラッ...
理々は慣れっこだ。
本を読む。

「(花宇さんもこういうの、こういう思いしたのかな)」


母親のお葬式時―。

『ママはね、とても美しい人だった
でも、その心が宝石のようでね』

がばっ
父親は理々を抱きしめた。

父親『本当にっ、美しい人だった・・・っ
お、おまえに その美しさが、、うっ ううっ
・・・』

おとう・・・さ・・・

理々は手が小さくて抱きしめ返せなかった。

『お父さん』

理々は、『パパ』と呼ばなくなり、以降は『お父さん』と呼ぶようになった。
(3歳時)


現在―・・・。

「(お母さんの、心の美しさが私の顔を造った、ってお父さんは言ってた。
私は、お母さんからもらったこの顔が好き。・・・私のじゃないけど)」


・・・

美しさって何だろう?

ドット絵を細かく修正すると綺麗になる。

理々「(顔だって、整形すればいくらでもどうにでも
・・・)」

『花宇』
理々の読んでいる物語のキャラクターである。
上記に上げた、理々と同じ対応を周囲からされている女性、である。

花宇=元々と、心の美しさで維持している
理々=借り物。母親から借りて、いずれ返すもの。(だと本人が思っている



カタッ
「ちょっとあなた」
理々のすぐ横の机の板を軽く叩く女性。

髪を後ろにまとめ、眼鏡を掛けている(そして背が高い)。

理々「え?」


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資料室。

女性「なぁ~んてねぇ。ほんとは私もそれ好きだから読もうと思って。
でも読む時間がないから。色々教えて欲しいのよ~」

奥の本だらけの部分からごそごそ何かを取り出している女性。


『あなたがいるといつも迷惑になるの』
理々『え?(汗)』
『(コホッ)あなた、目立つから。
・・・もう面倒だわ。こっちいらっしゃい』

理不尽に資料室に連れ込まれた、、という訳だ。


理々「あ・・・の・・・」
目を点にする理々。

「あなたね、目立つから困るのよ。
来るたびに色々あって。
ま~ あなたのせいじゃないんだけどね
参るわー」


ゴホッ!
ほこりで咳き込む女性。


女性「あったこれだ」

少し近付く理々。

『目立つ人対策マニュアル』
というページ。

イラストで丁寧に描かれている。

・サングラス、ボーダー柄のトップス、灰色のボトムス、ぺたんこ靴

奇抜すぎず、地味すぎず(地味でも結局目立つから)・・・
という考察の元に作られたらしい

・・・
ハハ
理々はこわばった。
「(あらかじめこういうものが?誰が誰に?何のために)」

女性「フー 昔カウっていう、、ふぁうーだったかしら。
そういう人がいてね。目立つ子だったから、、それでそういうのが」

花宇?

そっ
理々「それはいつのことですか?」

資料室に少し大きな声が響いた...


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