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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第2章「パン・オンライン」

謎の樹

パン・オンライン内、某図書館の資料室。

女性「そうね~
2年くらい前かしら。何かやたら目立つ人でね~。
すぐいなくなっちゃんたんだけど」

理々「・・・」

少し薄暗い資料室。

理々が読んでいた物語の登場人物、『花宇(ふぁうー)』の名が出て驚く理々。

理々「(あの物語を知っている人が、自分のキャラ名を「花宇」にするとかは出来ないはず。
この世界は、、本名で登録されるから)」

1、あの物語を見て、本名を変更して「花宇」と名乗る人が出た(有力)
2、ただの偶然

・・・う"ーん
「(どう考えても、中国ならいざしらず、日本で「花宇」、「ふぁうー」って読む名前に変える、、
なんて有り得ないわね)」

(役所が許さない)



結局、「この世界に花宇がいた」以上の目立った情報が見当たらず、
とうとう諦める彼女。

女性「(親戚?か何かなのかしら。あんな落ち込んじゃって・・・)」
女性は帰ってゆく理々を見送った。


トボトボ...

ピラッ
女性にもらった『目立つ人対策マニュアル』を手にしてテクテク歩く理々。


・・・
2年前に人?がいた。

パン・オンラインはすでに存在していた。

「(どういう、、ことなんだろう)」


ピリリリリッ!
フォン、と呼ばれる1:1対話を開始する理々。

しばしのコール音。

『え?』

理々は答えた。
「あ、愛花さん!」


ザバーッ
ザバザバザバッ

20分後。

宿屋の部屋で話しているふたり。
ミルクを飲み、体を温めている理々と、
体を壁に預けて腕を組んでいる愛花。


・・・
理々「こんなに、雨が降るとは思わなかった」

ゴロゴロゴロゴロッ

雷も鳴っている。

ヒッと小さく驚く理々と、何も驚かない愛花。

理々は言った。
「さっき言ってた、ピラミッド理論。それって本当なんですか?」


ピラミッドの形のように、上の層に行けば行くほど、人数が少なくなっていく。
そして支配力も強くなってゆくのである。

一番上が「A層」
一番下が「G層」

愛花「恐らく、A層~D層の誰かが、あなたの精神力を燃料にして
この世界を作ったのだな」

先日、裕也が『プログラマーって誰?』と言っていたのはこのことに繋がる。

・・・
意味が分からなくて言葉が出ない理々。

愛花「作りたかっただけだ。
上の意思は、何かの目的のためではない。
単純に『作りたいだけ』」

あえてツッコむ理々。
「そ、そんなことして何の意味が?(汗)」

愛花「・・・さぁ・・・」

いつの間にかやんでいる雨。

パッと愛花は組んだ腕をほどいた。

「それじゃ、また」


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愛花さんて、普通誰もが知っているものをあまり知らないし、
どういう人なんだろう?


先程の光景。

『え、新聞。知らないんですか?「新しい」に「耳」で...』

愛花は首を傾げた。
『しんみみ?「しんぶん」?新しい耳とは』

愛花『プリン・・・』ペシッ
・・・
理々『あ、ナイフで開けたらダメです。
あ、あの、プリン、、開けたことないんですか?』

愛花『何だと。悪いか』


略語なども全然疎い。俗語なども全然知らない。

ラスボスをラスト・ボスと正しく言うし、
カンストを、カウンターストップときちんと言う。

逆に略語で話すと「?」という顔をする。

理々「(あの人を知る方が面白い気がする・・・)」

現実逃避を始める理々。



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