小さな世界 > 第2章「パン・オンライン」
迷宮
品行方正で生真面目な魏家第1秘書、白 暘谷(ばい やんぐー)。
彼は自分にも他人にも厳しい。
(死ぬほど)
汚い行い、浮ついた行動、言葉などを嫌う。
暘谷「(くっそ
どこで覚えたんだあんな言葉←過保護)」
指をポキポキ鳴らす。
「(思い出しても腹立つ←やはり過保護)」
ピキッと青筋を立てる彼。
暘谷「(ああいう言葉づかいをしないような人間にしないと
俺が変に思われるよな)」
ブロロロロッ
寝癖を直さないまま、だるく運転する彼。
声『約束よ。念はかならず『真実』になる
強く信じて。
あなたの、信念を貫いてね、生涯』
昼なのに月が見える。
その月を見ながら昨夜の夢を思い出す妃羽。
声『約束よ。念はかならず『真実』になる
強く信じて。
あなたの、信念を貫いてね、生涯』
目をつぶる妃羽。
「(杖・・・ 杖・・・?
本棚が一杯)」
・・・
魏家。
威俐私室。
少女『くっ・・・・あぐっ。はーっ。何でよ!』
ぺた.....と床に四つんばいになる少女。
くるっと威俐のほうに顔を向ける。
『私、・・・私、、事実なんて・・・潰してやるから、、』
麗海「威俐様」
「威俐様」
ハッ
・・・
麗海「汗だらけですよ。どうかなさったんですか?」
パラッと書類をめくる麗海。
「こちらの案件ですが、○○ですと◇◇と言うことになりまして
私どもの見解ではxxx.....」
少女『まだ、愛してるの。あなたを。
だから「そんなこと」こだわっちゃうのね』
鳥『まぁ難しいもんだね』
背を向ける少女。
『真実はたったひとつになる
あなたの、
望みどおりに』
くるっと振り向く。
妃羽に。
場面が切り替わって、妃羽の夢の中だ。
ハッ
夜中、目覚める妃羽。
体を起こして振り向くと、窓が開けられていて月が出ている。
しばらくそのままでいたが。
パサッ
そのまま引き続き寝ようと試みた。
10分後―・・・
すぅ・・・
再度寝直す妃羽。
「♪♪~♪ ♪♪ ♪
♪♪ ♪ ♪ ♪」
ハッ
「(い、今 森林、の歌を歌ってた。
何いまの 何ー?
あ、♪、♪?えーと ♪
♪あれ、、
い、今のは? 過去に歌ってたことあったの?)」
ガバッと起き上がる彼女。
いや、ない。
歌詞は聴いたことない。
あれは知らない言語。
「(わ、私って?)」
えっ
理々が窓際を振り返った。
裕也「どうした」
月夜。
ふたりは宿屋で休んでいた。
・・・
しばらく外を見ていた理々だったが、
ん、何でもない。
と回れ右をした。
裕也「ふあぁ~あ。ほろほろ、おでは寝るお~」
裕也が奥に行き、仕切りのカーテンをシャーッと閉めた。
・・・
ふいっ、とまた外を見る理々。
「(妃羽・・・あるのかな。あなたの、世界・・・)」
外では、夜露がピトンッ と垂れた。