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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第3章「ミルフィーユ」

層世界

引き続き威俐私室・3。


「これと―・・・」
カリカリ

冷静な感じでガラスのテーブルに置いた紙に、文字を書くふたり。
考察していた。

妃羽「(私の『愛』に支障がきたしていて、威俐様の物質への偏りと私の異常な精神への偏り
絶対何かある、と思う・・・)」



『すぐに色々言っちゃうんだから!
ジェムの質が落ちちゃうでしょ!』

ピン!

妃羽は驚いた。

「(あれ?何であれを・・・)」

威俐「妃羽? どうかしたか?」
ガタリと椅子から立ち上がって、横にいる妃羽を支えた。

何でもありません。
何かちょっと分からなくて


「(あれが何かの・・・・・・・・・)」


ずーっと考え込んでいる妃羽に目が点になる威俐。


妃羽「(すぐ言っちゃうんだから!の台詞はともかく
『ジェムの質』っていうのが)」

何か有る!と思う妃羽。



一方。

ドアの外では、ユウが部屋の中にいるふたりを見守っていた。

「(とはいえ・・・ドアが開けられないからどうしようもないけどさ)」

妃羽幸せになれよ。
ここはおまえさんの世界。

俺は見守ってるぜ


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妃羽「層?」

うん、複雑だ。
紙に威俐が丁寧に「自己の知っている「変な世界」の知識」を説明した。


妃羽「・・・(汗)」

変だろ?
変な顔をして紙を読む妃羽に威俐が言った。


「不思議な世界観・・・」

妃羽「(でもこの前も鴻日さんに聞いたな
『君は世界の主人公』とか なんのこっちゃ)」


世界は7つの『層』で出来ていて、
「この世界」は一番下の『層』である。

ピラミッドのような感じで、
上に行けば行くほど人数が減ってゆき、
支配力も高くなる。


ふーむ
「(それで、下に行けば行くほど作りもの・・・)」
威俐の説明を頭の中で反芻させる妃羽。

威俐「それを、『A層住人』の花宇から教えてもらったんだ
・・・元々、この世界がいくつも、、世界がいくつも有ることは知っていた」


手をひざ辺りで組みながら言う。
「・・・曖昧だったものを、花宇が説明してくれたんだな
信じた」

・・・
「(へぇ
でも威俐様が信じるなら私も・・・)」
不思議な引力を感じる妃羽だ。


そして久し振りに威俐とふたりきりになったからなのか・・・
ひたすら苦しくなる妃羽。

「(世界が違う。すっごい恐い。
嗚呼、早く逃げ出したい。
この人、オーラが違うもの・・・)」


トンッ
ペンでガラステーブルを叩く威俐。

「・・・君が主人公っていうのと、『音楽』っていうのは
あまり分からないな」

主人公っていうのは何となく分かってたが。
と威俐。


ひたすら、早く逃げ出して知識をまた頭に詰め込みたい
・・・と思う妃羽。

「(自分から相談しに来たくせに・・・)」
魂が抜けていく感覚に陥るダメな女性ひとり。


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<妃羽私室>


パサッ
じゅうたんの上に説明の紙を広げる妃羽・・・

ユウも横でちょこんと座って読んでいる。

「(しゃべるだけじゃなく、読むことも出来るんだ・・・)」
と思う妃羽。


窓ぎわまで歩いて、カーテンを開けて夜空を見る妃羽。

「どんなことがあっても、この空の頂点にいる人は・・・きっと・・・」
そっと目をつぶり、願う彼女。



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