小さな世界 > 第6章「休息」
変化
威俐「ずっと来ないから・・・何してるのかと思って」
妃羽は『森林』をアレンジした『森羅万象』という曲をCDに収めようとしていて、
全然上手くいかなくて遅い時間にまでなってしまった。
ということを説明した。
是非とも聴かせて欲しい、と威俐は言って。
妃羽は弾くことになった。
♪ ♪♪
妃羽「あ、あれ」
不思議と、弾けなくなる妃羽。
威俐は魂が抜けてる?顔をしている。
妃羽が「あの、済みません」と後ろを振り返って、謝るとそういう顔をしている。
?
違和感を感じる妃羽
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深夜。
威俐は顔を最適化(目が線になっているだけ)をして寝ている。
妃羽「(何があったの・・・?え・・・)」
不思議に思う妃羽。
・・・
ガラッ
トントトンッ トトトンッ
トンッ
ベランダに出て、『森羅万象』をコンクリートの上でせっせと弾く動作をする妃羽。
妃羽「(ダメだ。弾けない)」
衝撃を受ける。
何故だろう?
意味があるの?
気に入っていて、暘谷にも褒められた曲。
CDにもまだ収めていない。
ど、どうして?
妃羽は頭を抱えた。
「(下手でもCDに収めておけば良かった。
今は弾けない)」
ニャ~ア
ベランダを、一匹の猫が渡って来た。
妃羽は顔が輝く。
「ユウ!久し振り!」
駆け寄る妃羽。
パッとユウを取り、ぎゅうぅっと抱きしめる。
「元気そうだな。何か顔つきが・・・」
あれ?という顔をして妃羽を見るユウ。
ベランダはバルコニーテラスなのだが・・・
そこの椅子に座りながらユウと話す妃羽。
「悪夢が少し収まったようで良かったぜ」
少し心配していたようだ。
「何やってんだ!」
後ろから威俐の声。
体調を気づかっているらしい。
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眠れない?とひたすら優しい威俐。
ユウのことは突っ込まず、色々と妃羽の話を聞いていた。
・・・
くーくー
ふたりが静かに寝息を立てて眠る頃。
ズ.....ズ.....ズズ.......
ズズ....ズズ.....
ズズ.....ズ...ズ...
黒い物体たちが、ふたりを取り囲んだ。
妃羽は苦しそうな表情を浮かべ、しばらくそのままであったが。
ブレスレットがその黒いものたちを跳ね返した。
夢の中。
妃羽は魔法使いの少女と会った。
黒い洞窟の中だ。
「2.5 Museum of Art」っていう美術館の
『俊 有(しゅん ゆう)』って名前覚えてる?
何か、ある絵の作家の名前。
少女の声。エコーが入っている。
「私の名前はシュンユー。覚えておいてね・・・」
「悪夢から必ずあなたを救うわ。任せてね」
妃羽は洞窟でドサッと倒れた。
後半は少女ではなく、大人の女性の声だった。


