Ragnarok Online derivative works
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- 第5話:予感
場所はモスコビア。
レンレンとアルフォンスは、新しく購入した家ですやすや寝ていた。
どうせモスコビアに行く機会が多いのだから、と家を買ったのだった。
これから越冬の季節だが、頑張ってふたりとも冬を越さなければいけない。
温かい暖炉で体を温めながら、ぐぅぐぅと寝ていたレンレンがふと起きた。
「あう・・・?」
よだれ、、は垂れていない。
ベッドからずり落ちそうになりながら、くっと体を起こし、ふらふらと窓辺に向かう。
「あれぇ、、何で?」
レンレンはつぶやいた。
似つかわしくない人が悩んでる。
・・・香りがする。
レンレンはそのまま寝たかったが、
半覚醒の状態が普通にしてくれなかった。
レンレン「ア~うフォンズ~」
ゆさゆさとアルフォンスを揺り動かした。
ゆさゆさゆさゆさ
アルフォンス「・・・ん?
な、なに?」
ごしごし、と目をこするアルフォンス。
レンレン「あのねぇ~~、、プロンテラに行かなきゃいけない気がするの~」
アルフォンス「プロ?どうしたんだ突然・・・
明日にしてくれないかZzz」
レンレン「アルベルタ、、でもいいお~Zzz」
アルフォンス「・・・あのな真夜中に行けるか、、
頼む今は寝かせてくれ、、」
そのままアルフォンスの上に倒れ込むようにしてスースー寝るレンレン。
アルフォンスはそっと彼女を横に移動させ、掛け布団をばさっと掛けた。
アルフォンス「こんな朝もやの中を歩く羽目になるとは・・・」
欠伸をかみ殺しながらアルフォンスが言う。
レンレン「でもぉ、ワープポータル募集したらフェイヨン(山岳の都市)へ送ってくれたプリーストさんがいて助かったね!」
ワープポータルとは、ワープ出来る空間を生み出す魔法で、聖職者が持っている。
朝、早くから起こされながらレンレンとワープポータル募集の看板を長いこと掛けていたのだ。
しばらくして、ある可愛らしいプリーストさんが、「フェイヨンならありますよ」と
親切にワープポータルを出してくれたのだ。
(※プリースト=聖職者)
レンレン「早く早く。アルベルタにゴーゴー!だよ」
アルフォンス「君はお父さん嫌いなんじゃなかったか?ふあぁ~~」
レンレン「嫌い嫌いも好きのうち、ってやつよ」
アルフォンス「(ちょっと違う・・・)」
聞き慣れた陽気な音楽が聴こえてきた。
、、と思ったら。
アルフォンス「あー! メイちゃん??!」
アルフォンスの突拍子のない大きな声が響いた。
メイチー「あ"あ"あ"-っ!アルフォンスさんっ! ちょっときゃー!」
レンレン「な、なになに??」
何が何だか分からないレンレンに、
親しげに会話するふたりの声が飛び交う光景が繰り広げられる。
そう。
ここは商人の街。アルベルタ。
メイチー「やだぁ、すっかり、、へぇ。ホワイトスミスなんだぁ」
アルフォンス「うん、まぁね」
メイチー「うっそ 早いねぇー」
アルフォンス「メイちゃんは三次職にならないの?」
(※おおまかに、一次職 → 二次職 → 転生二次職 → 三次職 と上がってゆく
メイチーはずっと転生二次職のまま)
メイチー「あ、あたしは・・・ちょっとね」
しばらく呆然と見ていたレンレンだったが、楽しそうなふたりに少しむくれるレンレンであった。