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目次 >> RO物語本編 >> 夜桜の精夜桜の精Spirit of cherry blossoms at night
- 第20話:妾たち
「やだっ あたしこういうの弱いのよ!」
「ミアったら!」
「だってアレでしょー リアル源氏物語、よ」
「元気物語?」
「ばっかね ジャスミンたら! 本当に もの を知らないんだから
『源氏物語』、よ!」
「なぁに~それ」
「長編物語よ。おおむかしの~」
「知ってる知ってる!『あさきゆめみし』読めば一発よね!」
「やーだ マンガで覚えるんじゃなくて原作読みなさいよー」
「ちょ、、固まってるじゃない」
妾たちは 先程から固まっているリリアを見た。
どうやらここが「妾専用
「じゃ、な
うまくやれ!」
そう言ってヴィンセントはさっさと去って行ってしまった。
「(別に、、10歳の子供なんていないわ
普通の女性たちばっかり。
成人した・・・)」
汗をかくリリア。
妾たちは7人はいるだろうか。
皆が皆、どこかの豪華なパーティに出てきそうな華やかでセクシーな女性たちだった。
「アタシ、ヴィー。宜しくね」
ひときわ美しい、人間とは思えない、黒目がちの女性が両手を握ってきた。
「(ぐふぁーっ!チカチカする)」
圧倒されるリリア。
「アナタが紫の上って訳ねん♪」
彼女はうふっと 人差し指をあごに当てて笑った。
「(紫の上って・・・)」
リリアは一応源氏物語を知っている。
18歳の男性が、初恋の女性の姪である10歳の女の子を育て、成人後に奥さんにするという内容がある。
その女性の名前が「紫の上」という。
でも私は好きな人と結婚する訳じゃないし、
「・・・・・・」
自分の身の上を思い返し、再度落ち込むリリア。
ヴィーは言った。
「今のヴィンセント様はね、
ひぃじいさまであるヴィンセント様、、同じ名前なんだけどね、
同じ名前だし、容姿もそのまま、生き写しなのよ」
美男よね~
自分の美貌を棚に上げて目をハートマークにするヴィー。
(性格良いと思う)
「まぁ、ヴィンセント様・・・同じヴィンセント様でも ひぃじいさまの方は、
美男なのは若い頃限定かもしれないですけれど」
もうひとりの ボンッ キュッ ボンッ の女性が言った。
スタスタとリリアの元に歩いてきて、、
「私、スカーレット。宜しくね」
と自己紹介をした。
「私たちは全員、お金で買われたり、自分から売り込みに来たりした女たちなの」
奥にいた テーブルに脚を乗せて 両腕を頭の後ろに組んでいた女性が面倒臭そうに言った。
「でも、もう飽きちゃったのよね~」
お金はもうあるし、冒険者になりたい
「だからっ、」
くるっと リリアの方に向く
「私たちの代わりに、ヴィンセント様のお相手 宜しくねぇ~★」
ヴィー「ちょっとジャスミン! 失礼よ」
ジャスミン「だぁーって 早く私モンクになりたいのぉ」
(※モンク=修行僧職)
もうひとり、スレンダーな女性がこちらに近づいてきた。
黒髪ロングの、清純そうな女性である。
「私、メラニー。私たち皆『妾』だけど、あなたは『正妻』、なのよ」
私たちとは違うの。
堂々としててね♪
パチッとウィンクをした。
な
「(名前覚えられないかも・・・)」
こんなにいると。
少し焦るリリア。