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RO二次創作

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目次 >> RO物語本編 >>  夜桜の精

夜桜の精Spirit of cherry blossoms at night

リリアが12歳になった時、ヴィンセントが神妙そうな顔をして

リリアの部屋に入ってきた。


「ヴィンセント様、どうなさったのでしょう」

青い顔をなさって


リリア・・・」

そう言って、ヴィンセントはリリアを抱きしめた。


その腕に、力はあまり入っていない。



何かの風邪?病気でも、、

部屋に入った時の、とても青い顔を思い出し、

リリアは不安になった。



「多分、俺はもう駄目かもしれない」


駄目?駄目って何が


「ヴィンセントさ、、、」


最初で最後の口付け。



気付いたのは去年からだ。

誰にも気付かれていない。


「・・・まさか」


ああ、多分来年まで持つか。



この世界には不治の病がいくつかある。

それらはヒールなどの回復魔法や回復剤でも回復不可能だし、

放っておけばそのうち治るという類のものではなく、

治癒不可能の、そのまま亡くなるというのが確定しているもの、である。




去年、つまりリリア11歳の時、ヴィンセントは妾をリリアを除いて

全員引き払わせていた。


その頃、確かにだいぶ顔色が悪くなっていて、屋敷の人間は心配していたのだが、

彼は ルーンナイトの任務がきついから、と言って誤魔化していたのだ。

(※ルーンナイト=騎士系の最上位職)


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リリアが13歳の時。


ヴィンセントが亡くなった。


「(私は両親に売られたから)」
行くとこなんてない・・・

ズシッと重い金銭が入った袋を見つめる。

「(・・・親戚が家を継いで、、私はお金をたくさんもらって
追い出されたのね・・・)」



・・・

マリアン

何してるのかなあ


また会えるかな?


ドサッ

道端に寄り掛かるリリア


ヴィンセント様・・・

長い長い長髪が素敵だった


何処にいるの?


『一生私に指一本ふれないで!』


「(指をさして言ったわ・・・)」


『分かった』

あっさり言った。


『おまえがそう望むのならそうしよう』


あの満面の笑み。



私・・・
好きだった・・・のかな、、少しは。





超低温火傷。

今になってヴィンセントに深い深い恋をしてしまったリリア


でも熱い想いが・・・強制的に冷やされる


私は独り

愛する相手はこの世にいない―

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