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RO二次創作

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夜桜の精Spirit of cherry blossoms at night

ヴィンセントという大富豪がいた。

時期は80年前。

リリアの許婚?のヴィンセントはその曾孫である。

初代ヴィンセントはたくさんの女たちを囲った。


父と母によって作られた 大きな心の隙間を

父がいつもやっているように、女で埋めようとした。


そのうち、本命?の女性に出会う。

―彼女の名前は『葛葉(くずは)』と言った。

葛葉、とは東洋名だが、アマツは東洋名の人間もちらほら居る。


その女性、葛葉は薄い唇の 薄幸そうな女であった。



ふたりはすれ違い、ヴィンセントの想いは実らなかった。

…特に、片想いだったという訳ではない。


―むしろ、葛葉の方が、ヴィンセントを愛していた。



何故か葛葉は彼(ヴィンセント)を試すようなことばかりをし―

彼を激怒させ、失望させ、そして離れ行くという訳の分からないことをした。


特別な誰かを求める男と―

愛を試すことでしか、人の愛し方を分からない女・・・


実る訳が無かった。



結婚もしたのに、何だか良く訳の分からないような理由を付けて、
何度も離縁をしようとして、

何だか分からないけれど、常に傍から離れようとした。


…勿論 離縁してしまった。


こんな、面倒臭すぎるやり取りの後、
ついにヴィンセントは激怒し、荒くれ者たちを雇って、、彼女に復讐したのである。


―しかしまた、それは ヴィンセントだけが悪いのではなく
そんな、有り得ないことを実行させてしまう程の、葛葉のおかしさのせい、というのも
ゼロでは無かったであろう。

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葛葉は、その後、アマツで自ら命を絶った。




・・・


・・・



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唐突に現実に戻る。

すっかりしなだれた桜の樹を背景に、白い顔をした樹の女性はうなだれながら
先程までの長い話を やっと終えた。


モロンが口を挟んだ。
「意味が分かんねーよ!何でまた人を試すよーなことをするんだ、そもそも」


女性は重い口を開いた。
「私は、どうしても 捨てられたくなかったのです。
いつか捨てられるくらいなら、それなら自分の方から・・・
どうしても 私は」



バンッ!

モロンが桜の樹を思いっきり蹴っ飛ばして言った。


ばっかじゃねーの?? 捨てられてもいねーのに何で決め付けんだよ


蹴った音でびっくりして視線を集中する一同。



「結局捨てられても捨てられなくても一緒じゃねーか」

てめーなんて誰からも愛されねーよ



そ、そこまでハッキリ言わなくても・・・


全員氷のようにピキーンとなったが、


まさにモロンの言うこと「こそ」が正論中の正論だったのである。



モロンリンリンのヴァイオレンスな喧嘩を省略)


・・・


レンレンはやっと言った。
「・・・10歳の私が言うことじゃないけど・・・
恋愛で人生を棒に振るのは・・・振るくらいだったらもっとたくさん...傷付いてからでもいいと、
思う・・・」


真っ暗な夜のアマツだったはずが、
夕闇、くらいの明るさのアマツに変わっており、桜から大量の花びらが風に舞って散っている。


レンレン「気持ちは、分かるけど、―でも それでも人は、人を信じていかないと、、生きていけないのよ。
多分・・・

...自己愛が強いのね。
自分だけを愛して、他人を愛さない。...他人から愛されたいばかりで。

・・・別に捨てられても良くない?(私はアルフォンスに捨てられたらヤだけど)
信じて、相手を想って―…それでどうなろうと、人を愛した結果なんだから。

人を愛するだけで良いと思います!」


サッと手を挙げて立ち上がるアイリーン

「そっ そうです!捨てられても良いじゃないですか!
(私はイザムバードさんを捨てたけど)
愛されたい、、って思ってもしょーがないと思います!」

ぜぇっぜぇっを息をする彼女。



樹の女性...葛葉はハッとしたように顔を上げた。

そして目をつぶり、言った。

「私は誰のことも愛していなかった。
自分ばかりで・・・

他人を、愛さなかったから、こうなったのでしょうね・・・」


レンレンはハッとして咄嗟にフォローする言葉を考えたが、言葉が中々出て来なかった。




重苦しい沈黙の中、イザムバードが言った。
「みんな黙っちゃった!
なんて言っていいかわからない!」

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