RO二次創作

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2013年時点でのROの世界観で構成されています
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Ragnarok Online derivative works

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マックとミリーMack & Milly

ルーンミッドガッツ王国とシュバルツバルド共和国、両者で行われた歴史的、、とまで言うと大袈裟ではあるが、
大切な協定が結ばれた。

ずっと決めかねていた事象がやっと叶ったのだ。

数日人々はそれこそお祭り騒ぎの活気に満ち溢れた。


そしてその記念、として大掛かりなパーティが開かれることになった。

大判振る舞いか、、「参加した人」にはとても素晴らしいアイテムが配られることとなった。


マクシミリアン。

上級者RO(ラグナロクオンライン)プレイヤーである。

レベル上げの効率を考えたり短時間で理想の装備を揃えたり、、という機械的な楽しみ方をしていた。

狩りの時間は長くてせいぜい1時間程度で、それまではさっさとログアウトしていた。


パーティでもらえるアイテムがとても豪華なものなので、

仕方なく参加して適当にやり過ごそうとしていた。


安物のスーツ。

一応パーティだしな。首の下の部分をビンッと引っ張るマクシミリアン。


ソフィア『アールさん(ペット。トラ)が風邪ひいちゃったのよ~
食べ物も戻すし。心配だから看てる。マクシミリアンさん代わりにアイテム取って来て~(泣)』


ソフィアとはマクシミリアンの妹分で、かなりの長い付き合いの友人である。
ひょんなことからトラを飼うことになったペット大好き人間であった。

マクシミリアン「(仮病だな。あのトラ)」

ソフィアが看てくれるのを楽しむ&パーティに行って自分が放っておかれるのを防ぐ、のをダブルで成功させているのである。


「あら、マクシミリアン、来てたのぉ?」

マデリーヌだ

「あー?マクシミリアンじゃん」

ワインをゴクゴク呑みながらツイシー(翠杏)も近付いてきた。

「やあ」

マクシミリアンは答える。


マデリーヌは聖職者系、ツイシーは鍛冶師系で

マクシミリアンの数ある「上級者プレイヤー」の知り合いである。


「ハンサムじゃない。さすがマクシミリアンね」

マデリーヌが言う。

「カッコ付けちゃって。何そのカッコ ださ」

顔を背けてから

「でも、こんなかじゃ いっちゃんカッコイイじゃん」
とニッと笑うツイシー。


だからなんだよ、、と疲れながら、

「有難う。みんな同じことしか言わないな」

「え?」(女性陣ふたりの声)


そういう厭味を言ってマクシミリアンは去った。


会場を見渡した。

ポケットに手を入れて。


バキッ

空間が壊された音。

・・・

・・・

・・・

・・・


現実の世界がそこにあった。

ここは「ラグナロクオンライン」という三次元を模した世界(設定です。ここの)である。

・・・の、はずである。

なのに。

現実の女性がいた。

現実の女性が・・・。

「(違う)」


そうではなくて。


「(誰だ あの女は)」


少し遠くに、会場の花瓶をじーっと見ていた女性がいた。

それからサッと別の方向に歩き出した。

顔が見える。


美しい男?

いや女だ

凛々しくて・・・

背は低めだが


マクシミリアンは人の容姿なんて空間に出来た凹凸物の特徴、ぐらいしにか思っていなかった。
(ひどい・・・)


「(天使のような、、天女、、いやあれは・・・)」

人間とは思えない。


誰だあの綺麗な女は!

挙動不審になる。



ふと、彼女に話し掛ける男がいた。

パンフレットを指さしながら、何か話している。
場所が分からず、彼女に聞いているのだと思われた。


ツカツカと気付いたら行っていたマクシミリアン。

失礼。
マクシミリアンは言った。

「悪いが。彼女は僕の知り合いでね」

女性も、男性の方も え?という顔をして


男性は苦笑いをした。

「だからあちらに行ってくれませんか。邪魔です」

とても綺麗な微笑をした。


男はあっさりと去った。

負けたと思ったのだろう。


女はキョトンとした顔をしてマクシミリアンを見た。

「う"っ!」

ブンッ!!

思わず顔を背けるマクシミリアン。


何を 今何やった?

これは夢か?

いや、


「ち、違う。僕はこんな風に女性に声なんて掛けない。

君が誰か、、き、君がなんか変なことされ、違う。

君がなんか攻撃されて

違う」

「君が何かこ、困っているような気がしたんだ」


マクシミリアンは頭のどこかで冷静に

そういう自分を「大変だな」と嘲笑していた。


「いえ、あの」

女性は言う。

「歴史展示展がいくつかあって、そのB展はどこかって聞かれたのです」

「さっきひと通り回ったから『もし良かったらそこまでご案内しましょうか』って」


「分かった!」

サッとその女性に向き直って「うるせぇ!」みたいな感じでマクシミリアンはさえぎった。


その余りの迫力に、「すすすすっすすすすすみません・・・」とガタガタする女性。


砂糖菓子を溶かしたような

まるで綺麗な美しい水を瓶(かめ)の中に入れ、一気にその水を流し込んで、

その水がぶわっ!と人間になったような


「(綺麗な女だ)」


困った顔で女性はこちらを見る。


凛々しかった姿は何処へいったのか。

今いる彼女は「誰にでも(それこそネコとかにも)取って食われそうな弱そうな小動物」である。


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ミルドレッド。
永遠の初級者プレイヤーである。

いわゆる マクシミリアンの真逆と言えるだろう。
プレイスタイル、性格など。


ふたりが出会ったのはこのパーティであった・・・


確かにミルドレッドは本当に綺麗だったのだが、お洒落していたのだ。

すっぴん時とお洒落時は「小鳥」と「鳳凰」くらいの差がある。


マクシミリアンはだいぶ昔の思い出を。あのパーティの夜を・・・

思い返す。

「(俺はすっぴんの顔の方が好きだな)」

・・・


かつて見せたことがない程 動揺しまくってお洒落したミルドレッドに身も心も奪われたくせに カッコ付けたことを思うマクシミリアンであった。

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