Ragnarok Online derivative works
目次 >> マックとミリー・大目次 >> マックとミリー・小目次・1マックとミリーMack & Milly
- 第3話:ブラジリス
どうですか~?
満面の笑みで聞くミルドレッド
ふわっ とした着心地に不思議な感覚を覚えるマクシミリアン。
「まぁなかなかだな」
でもこれ
「足の、、丈が短くないか?」
ユカタ、なるものを初めて着たマクシミリアンはそこのスースーする感じに慣れないようだ。
そういうデザインなんですよ。
通気性があってですね~
そういうミルドレッドに「ミリーは風呂入らんの?」
と聞くマクシミリアン。
私はほら、女だから。
「女の風呂は長いんです」
だから夜入って、、
「そこで浴衣(ユカタ)着ますわ~」
とニコリと笑う。
・・・汗
まず俺に風呂に入らせ、そこで浴衣を着せた意味は一体・・・
「(まぁ考えたら負けだろう)」
ふたりはマクシミリアンとミルドレッドという魔術師職の友人同士である。
レベル差はあるし一緒にモンスターを狩るなどはしないのだが、話が合って、
ログインすると良く会話したり絡んだりしている。
今日、ふたりは「ブラジリス」という緑豊かな海岸都市に来ていた。
あの日、
疲れて草の上で寝っころがっていたマクシミリアンに、いつ間にかミルドレッドが上から見下ろしていて、
「狩りしすぎだっつーの!
たまには~ 骨休めして。。えっと旅行とか行きましょう!」
と言った。
「り"ょごう?」
あまりの疲労に、言葉を発するのも億劫だったマクシミリアン。
デワタかブラジリスか迷ったんですけど~
あみだくじでブラジリスに決まって、、
そんな話を聞きながら、ちゃぷちゃぷと船に乗りながらぼへ~っとしていたマクシミリアン。
「(あれから二日後か。早いな)」
狩りしないでこんなこと(こんなこと・・・)するのっていつから振りだ。
マクシミリアンはノービスという一番初期の職業の頃からずーっと娯楽なしでレベル上げばかりやっていた。
(塾に通って東大目指して本当に入って、疲労で疲れているのに気付かないでぶっ倒れるタイプ)
デワタもブラジリスもアルベルタという港の都市から、船で行く。
デワタはリゾート地のようなところで、ブラジリス以上に「旅行地」っぽいところである。
でも、ブラジリスもいいんですよ。
船でミルドレッドが色々とブラジリスの良さを語った。
「(ミリー、ハイウィザード(魔術師の上位職)よりもガイドさんが向いてるんじゃないか)」
冒頭に戻る。
ミルドレッドはマクシミリアンが「浴衣(ユカタ)」なるものを着たことが無いと知って、
さっさとお風呂に入らせて、浴衣を着せたのだ。
(意味不明な行動)
ミルドレッドはA館に泊まり、
マクシミリアンは隣のB館に泊まる。
自分の館に戻ったミルドレッドは早速小さなショッピングセンターに行き、
「ふっふっふ 5本~♪」
と満面の笑みでお酒の瓶5本を買った。
2本を掴み、
タタタッ
バンッ「マクシミリアンさ・・・」
隣のB館に走り、ドアを開けてマクシミリアンとお酒を(昼間から・・・汗)と思っていて、
思わず固まるミルドレッド。
見ると、マクシミリアンが床に座って、見知らぬ女性とボードゲーム(将棋かチェイスかオセロと思われる)をやっている。
女性はどうやらチェイサーのようだ。
(チェイサー=ならず者系の上位職)
女性「?」マクシミリアンを見る。
そしてミルドレッドを見る。
「誰?妹さん?」
(魔術師系職同士だし・・・)
す、すすすすすすすみません!!
ミルドレッドは赤くなって くるっと背を向けて出て行った。
A館に戻り、、、赤い顔をず~~っと続けながら、ドキドキ心臓の鼓動が止まらないミルドレッド。
「(ごごごごごご御免なさい。マクシミリアンさん・・・)」
私ったら空気の読めないことして、、
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!
ああいうゲームってすっごい集中力使うのよね(その通りだけど・・・)。
それに水をさしちゃって、、あたしったら。。
お酒なんて呑む気になれない。
(もう呑むな!!)
フラッとA館を出、、「(美術博物館にでも行こう・・・)」と
何でもいいから気の紛れることをしようとするミルドレッドである。
・・・
「・・・(さっきの女の人ナイスバディだったなぁ・・・)」
『俺は微乳が好きだな』
あの日のマクシミリアンの言葉。
気ぃつかってくれて 結構優しい人なんだな(恐そうに見えるけど)・・・
と思った。
『華奢(きゃしゃ)な子が好みかな』
うそつき!
思わず声に出る(そしてヤバッと思ってまた顔が赤くなる)。
「(男はみんなボンッキュッボンが好きなのに、な~んで機嫌取るんだろう)」
そんな男ばかりじゃないなんて絶対嘘!
俺寿司食うより わさび食う方が好きだな、って言ってるようなもんだっつの!
キィ・・・
美術博物館の扉を開ける。
ミルドレッドは不幸な人間である。
顔、姿形、容姿そのもの、身長なども含めて、
マクシミリアンの「超好み」なのである。
誰しも好み、、というものがあると思うが、、
好きになる嫌いになるは別として、(好きと好みは違うから)
少なくとも普段狩りばっかりに興味があって 女性に声なんて絶対掛けないマクシミリアンが
「生まれて初めて」声を掛けたのがミルドレッドであった。
そのくらい、彼女はマクシミリアンの「好みド真ん中ドストレート」(どんだけ・・・)であった。
ボンッキュッボンだろうがなんだろうが、好みじゃないとどーしようもないのに、
彼女は破壊的に世間知らずであった。
わっほ!
小さく驚嘆の声を上げる。
「(改装?したんだー? すっごいキレイ)」
館内の美しさに驚きながら、、パンフレットを取るミルドレッド。
美術館コーナーの方には、、「人物絵と~静物画と~風景画があるのね」
テクテク歩いてひとつひとつ丁寧に鑑賞。
館内に人が数人居て、やはり絵画を見るのを楽しんでいるようだ。
何やってんだ。
後ろから声が掛かる。
くるっと振り向くと、マクシミリアンである。
「あっ、ボードゲーム・・・」
先程のことを思い出す。
「全勝だな」 偉そうに言うマクシミリアン。
すっごーい!!
子供のようにすごいすごい言うミルドレッド(いつも通りだ)。
美術博物館に来たんですけど、改装されていて、と説明。
マクシミリアンは「(時間の無駄だ)」と心の底から思ったが(美術だとかそういうのに全く興味がない)とりあえず合わせて、一緒に回った。
「私、(ピッ!とある風景画を指をさした) ああいうのがすごい好みなんです」
画集とか売ってないかな~
キョロキョロする。
俺は、そうだな
マクシミリアンがあごに手を当ててじ~っと絵たちを観た。
お、マクシミリアンさんは何だろ?口を開けながらぼうっと見るミルドレッド。
スッとキレイに指をさした。ミルドレッドを。
「こういう絵が好みだな」
俺は。
・・・?
驚いた顔をするミルドレッド。
ニコッと笑って「ふふっ ありがとうございます!」と言った。
・・・汗
「(少しは動じろよ・・・)」
観光地?でもいつも通りのふたりであった。