Ragnarok Online derivative works
目次 >> マックとミリー・大目次 >> マックとミリー・小目次・1マックとミリーMack & Milly
- 第6話:みり~ぱわ~
う~ん
やっぱこの樹にもいないかぁ
マクシミリアン「普段はコンロン(神仙の島)にいるらしいからな」
でもぉ
たまに上級狩り場でガシガシやってるらしいんですけどね。
ピッ!と大きな樹をさす。
「あの樹でひと休みして」
マックとミリー。
マクシミリアンとミルドレッド。
魔術師系職同士の仲良しコンビである。
(レベルの差はすさまじいが・・・)
ふたりは、ある事情(前回参照)でシャオイーと言う人物に会いにきた。
彼はどういう事情があってそうなったのは分からないが、
何故か太古に滅びた職業「パンテスト」というものに就いており、
極めて謎の多い人物だという事で マスメディアが突き止めてしまい、
2年前に散々話題になってしまった、という人物である。
(パンテスト=パンテオンプリースト)
一昨年すっごい騒がれてて、色んなメディアで紹介されてたんですよね~
マクシミリアン「で、嫌がって別の場所に避難してたな」
でももう2年も経ってるし。
とミルドレッド。
みんな飽きちゃった頃だから、
「安心して、この樹とかに来てると思ったのになぁ」
アルベルタ。港の都市である。
そこの小高い丘に大きな樹がある。
たまにシャオイーが腰掛けて休んでいるらしい。
何か御用ですか
うあっ!
マクシミリアン&ミルドレッド「うあっ!」
思わず大声を上げるふたり。
見るとそこには長身の静やかそうな黒髪の聖職者がいた。
彼は「この人物なら大丈夫」とか パンテストとしての霊感で分かることが出来るので
大丈夫そうなふたりに声を掛けたのだ。
・・・
ただならぬオーラ。
シャオイーであることが一発で分かる。
(と言うより、「分かる」ふたりも相当すごいということになる)
あの!
ミルドレッドが緊張しながら声を上げた。
取材しに来たこと。
昔の魔法とか出来れば見せて欲しいこと。
臨書(RO(ラグナロクオンライン)の世界のブログ)をやっているので、参考にしたいこと
ミルドレッド「で、でも本当は・・・」
ティルルさんが嫌いだというアニメキャラに自分がそっくりだと言われたので、
嫌われないように何とかしてもらえませんか!
・・・ということを
「言葉が上手く話せないけど、一生懸命つい大人が聞かずにはいられないくらい必死になって話す幼稚園児」
・・・のように話した。
シャオイーは落ち着いて
「どういう魔法が見たいですか」
と言った。
ハッとしたミルドレッドが
「ぎ、ギガンティール(ヒールという上位回復魔法。現在は滅びた)が見たいです!」
と言った。
手を空中に向け、大きな樹に向かって「バッ!」と腕を伸ばし、
しばし魔法を小さく唱える。
「ギガンティール・・・」
500000!!
1000000!!
呆気に取られる魔術師ふたり。
マクシミリアンは声も出ない様子。
「最初がLv5、で次Lv10」
とシャオイー。
そよそよ そよそよ
心地良い風に、悪い気が全て流されていくようだ。
シャオイー「あんまり気にしない方がいいよ・・・」
シャオイーは落ち着いて言う。
ミルドレッド「でも、、24人のビリー・ミリガン風の面白い人と仲良くなれないなんて」
シャオイー「きっと勘違いだから」
優しく言う彼。
勘違い・・・ でも「大嫌い」って・・・
しょぼーん、とこっちまでうんざりしてしまうくらいしょぼーんとするミルドレッド。
「ミリー、そいつ(ティルル)のこと好きなの?」
?
不思議になって聞いてみるマクシミリアン。
ミルドレッド「だって、、24人のビリー・ミリガン風でしかも女性って、
その辺にはいないから」
女性、っていう場合、ありきたりの人と仲良くするのイヤなんです。
ティルルさんはアスナが嫌いなんじゃなくて、
アルキスさんが気に入る女性キャラが嫌いなんですよ的なことを言うシャオイー。
ミルドレッドは振り向いた。
ミルドレッド「じゃあ過去にも?」
シャオイー「いえ・・・」
シャオイーは腕を組んだ。
「今回が初めてですね」
ミルドレッド「(実績がないのに何故「気に入る女性キャラが嫌い」と断言しているんだろう)」
とまともなことを考えるミルドレッド。
シャオイーの話を要約するとこうだ。
アルキスさんは「執事」で、ティルルさんは自分を女王だと思っている。
昔はお嬢様程度だった。
アルキスさんがお気に入りのキャラを作っても全然気にしていなかったが、
今回の、アスナというキャラは完全無欠のヒロインで、
ティルル「執事の分際で完璧な女を好むとか生意気なのよ!」と
完全に怒ってしまった。
マクシミリアンとミルドレッドは思った。
「(ど、どういうキャラを好もうと、その人の自由なのに・・・汗)」
シャオイー「ティルルさんはアルキスさんが好きですからね」
バッ!とシャオイーに向き直るふたり。
え、、、??
変な意味ではなく、ティルルは家がお金持ちで経済的には不自由していなかったが、
いつも親が家にいなくてアルキスに育てられたのだと。(執事だから)
小さい頃からずっと。
それで懐いているのだと
丁寧に説明するシャオイー。
ぶわぁっ、、と涙が出てくるミルドレッド。
少し前に、赤川次郎の小説で、
お金はあるけど、お母さんに全然構ってもらえなくて
たくさんのおもちゃに囲まれながら 構ってもらえない寂しさで最悪の人間になってしまうという話を読んだのだ。
・・・
それで、、お母さんが興味を示すものに、やきもちを妬いて
バシイィィィッ!て壊す、、そんな感じだったのかぁ・・・
感情移入するミルドレッド。
マクシミリアンが少し笑顔になる。
「じゃあ、ミリーの腕の見せ所だな」
ミルドレッド「はいっ!」
片手をピッ!と上に上げる彼女。
「そろそろ僕はこれで・・・」
落ち着いて立ち上がるシャオイー。
帰り道。
あんなに落ち込んでいたのに、
「メッロメロにしてやるわ!!」と超意気込んでいるミルドレッドの姿があった。