新解釈の古事記 新解釈の古事記 新解釈の古事記 新解釈の古事記 新解釈の古事記

第7章:その他

第13節:崇徳天皇

第3話:うつ病

新解釈の古事記


後白河天皇もまた、後三条天皇の優秀過ぎる能力を受け継ぎ、
本来ならば視えないであろう、統合失調症の世界を見る人生を送った。

統合失調症ではなく、統合失調症の人が見ている世界を、健常者の目で普通に見ている感覚とでも言うか。

統合失調症とは、現実の世界とは別の、違う世界を敏感に感じ取ってしまって
そこから監視されていると感じたり、現実の世界との境い目が分からなくなり、
我々が現実として認識している世界、の中には見えないはずのものが見えたり、
聞こえるはずのない音や声が聞こえたり、するなどの症状のことを言う。

本当はその世界は、つまり幻想だの言われている世界は存在するのかもしれない。
しかし見なくても別にいい世界だから、「脳が見ないようにしている」のかもしれない。

世界は多次元で出来ていて、様々なレイヤーのようなものが掛けられていて、
現実という世界線の中に、妖精の世界だとか霊の世界だとか、様々なものが絡み合っていて、
たまたま、「視るべき」現実の世界のみが、我々の世界に広がっているだけかもしれない。

それを、或る条件下によって見ることが出来る、=つまり病気に拠ってそれを見ることが出来る
のかもしれない。


病気にならずとも、その世界を見ることが出来る能力を持っているーと言えば分かりやすいであろうか。


後白河天皇は常に、虫と共にいた。
その虫は他の人間たちには全く見えない。
その世界観で生きていた。


崇徳天皇が「8:9」の配分でいる限り
均衡の存在として生まれてきた後白河天皇もまた、「8:9」の配分にならざるを得ず
後三条天皇の重すぎる能力を余裕で受け止めることが出来るこの兄弟は悲劇の人生を送った。


崇徳天皇は、後三条天皇の持つ準超能力(※前述を参照)の良いものを全て受け継ぎ、
逆に悪い部分は後白河天皇に全て行った。

本来ならば知的障碍になってもおかしくないほどの膨大な脳内伝達の情報処理の能力を有しているふたり。


特に準超能力の悪い部分(視えてはいけないものを見てしまったり、悪意を読めてしまったり、穢いものを見た瞬間に臭いを感じ取ってしまったり)を有している後白河天皇は世の中の穢さを感じ取り、心がくすんでしまった。

彼には、詩歌に残すべき自然の美しさ風流な景色...情緒...何も感じられなかった。
習字が終わった後の、水に筆を入れて洗った時に見える、薄い墨色...救いようのない灰色の中の世界に沈んでいた。


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個人の中で起こる症状ー・・・
悲しみ、病気などがあるが、
これが業界だとか国だとか、そういう「大きい、概念的なもの」にも適用される場合がある。

例えば政務を頑張りすぎて、寝不足になって、疲れやすくなるー・・・
それを繰り返して慢性睡眠不足。
、という「個人」の体調の変化があったとする。

それが、業界だとかもっと大きな、概念的なものに適用するー・・・というものだ。


そう、日本という国そのものに、其れが襲い来たことがあった。


人間で云うところの「うつ病」である。

うつ病とは、文字そのものから連想される「憂うつ」の病気、ではない。
気分が落ち込む面も確かにあるのだが、
その状態を正確に表すと、「日常生活を規則通りに行うことが極めて困難になる症状」というものである。

決まった時間に起床、着替え、入浴、仕事、或いは学習ー・・・
そういった「一般の人間が普通に出来る一定の生活の動き」が、封じられてしまう状態が長く続く。

原因として言われているのは、
幼少期や青年期に、精神的に疲弊している状態を長く経験してしまうことで、
脳が肉体の動きを封じ、脳を守る状態に強制的になる、ーというものである。

現代風に言うと「エマージェンシーモード(緊急保全モード)」に自動切り替えにされている状態とでも言うべきか。


世界の例を見れば分かるのだが、
ひとつの王朝がずっと何百年(何千年)も永く続くという状態は極めて困難なもので、
それは日本にも当てはまったのだ。

藤原家による、出張った政治形態が図らずも天皇の力を節減させることに一躍買っていたのだが、
何百年も越え、
そしてとうとう、天皇が歴代長く続き、千年を越えた辺りで 日本という生き物に「内側」で緊急命令が...という事態になった。



・・・そこで日本という存在が、自身を守るために生み出したのが、
「崇徳天皇」である。

うつ病にならないために、天皇が「頑張る」という状態を止める必要があった。

崇徳天皇が、どういう形であれ『天皇が政治を行う』という形態を何とかする役目を担った。


第7章:その他「第13節:崇徳天皇 ー 第3話:うつ病」


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