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ふることふみ

新解釈の古事記 
TOP章ごとの目次第5章:大国主の話

第3話:皮がはがれた子ウサギ


ヤガミヒメの家は、とても大きな家、、というか大屋敷で。
歳を取った両親がいた。

事前にフユキヌが話を付けていたので、
ヤガミヒメの両親は笑顔で「どうぞどうぞ」「ごゆっくり」と
落ち着いて男前なオオナムチを迎え入れた。

すぐに食事の時間になり、
オオナムチは向かいにヤガミヒメが座る形となり、
何かを話そうとしたが、終始ヤガミヒメが暗い顔をしている。
貧血か失恋か?とオオナムチは見て見ぬ振りをして
色々考えた。

が、時間を経つごとにヤガミヒメの顔は悪くなってゆき、
時折り、涙が光ったりしていた。

人が話し掛けるとすぐに笑顔で答えるのだが・・・

しばらく黙っていたオオナムチ。
「ヤガミヒメさん」
と目をつぶって下を向いてもぐもぐ山菜を食べながら声を掛け、
「何かあったんですか」
と静かに言った。

ずっと、下を向いて目をつぶったままである。

ハッとしてヤガミヒメは少し顔を乗り出した。
全く人の領域に入り込まない、優しい問い方に、彼女は心の扉を開いた。

「じっ実は!」


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ごそごそ、とオオナムチは母親から持たされた、でかい袋の中を漁った。

ここはヤガミヒメの部屋である。

木箱で出来た箱に幾重にも布が敷いてあり、
その上に、皮をはがれたウサギが横たわっていた。

ヤガミヒメは涙ぐみながら、
「今は・・・眠っているから、痛みから(少しは)和らいでいるかと思いますが・・・
こんなことにっ、、なってしまって・・・」

目をぐっ!とつぶり心から悔しそうに、悲しそうに、苦しそうに、辛そうに・・・
ヤガミヒメは泣いた。
鼻は赤くなっている。

オオナムチはことのあらましを聞いて、なお落ち着いて、薬や薬草を取り出し、
そして横にある、消毒用の熱いお湯の湯気をそっと肌で感じた。

少し稲穂に似ている薬草を振りながら、
「まず痛み止めですね」
と言ってさっさと乳鉢に乳棒で薬草や薬を混ぜて、
様々な乳鉢を混ぜに混ぜて、ウサギに手慣れた感じで軟膏を塗りたくった。

その都度その都度手を洗い、
水で洗うのは痛みが取れてから、と
痛みを取り・・・


ウサギはだいぶ三日後には良くなった。
とりあえず、毛はともかく痛みは無くなり、水で洗うことは出来るようになり。

オオナムチ「・・・消炎剤と、後は皮膚再生に効くもの、粘膜や皮膚に効く○○を・・・」
彼は大きな屋敷には似合わない、小さなヤガミヒメの部屋で、そっと栄養のあるものを
ウサギに食べさせた。

両親は全てを承知で、ずっとオオナムチを泊めた。

「ウサギがもし亡くなりでもしたら、うちの娘はどうなってしまうのかしら・・・」
妻は少し涙ぐんで心配していた。

十日もすると、すっかりウサギは元気になり、
可愛らしい真っ白いウサギになった。

皮をはがれた姿しか知らないオオナムチはさすがに驚いた。

通常はこんなに早く、皮をはがれた状態で元通りには戻らないが、
神の世界だから、、なのだろう。(ということにしておいて下さい)

ニコニコ笑顔を作りながら、ヤガミヒメはお礼を言った。

まだ白いウサギの変わりっぷりに驚いているオオナムチは、い、いえ・・・というのが精いっぱいだ。


さて、皮がはがれている理由と言うのは・・・


ヤガミヒメは言葉が分かるか分からないのに、
よく夜に、可愛がっているウサギに、常世(外国)のお伽噺を話して聞かせていたのだが・・・

その中に、ワニ(サメではないです)の数を数えようとしたサルが、最後にいたずらしたんだよーと
からかい、ワニに皮をはがれる、という話があり、
真似をしようとしたところ、同じ目に遭ってしまった・・・という訳だ。


第5章:大国主の話「第3話:皮がはがれた子ウサギ」


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