第4節:秤に乗るもの
第2話:名前は?
アマテラスの子孫たち、つまり天皇たち。
その天皇が治める世に 異変あらば
・・・と、何かのタイミングで「その魂」は生まれ落ちたのだろう。地上に。
人間として生まれた理由は色々とあるのだろう。
ただ、アマテラスの子孫たちが治める世に対し、異を唱えられる存在は「アマテラスと同等の存在」―・・・。
彼、は日本の島々、神々、人間たちほぼ全てが「精神:肉体」の配分が7:3の日本の中、
10:7で生まれた明らかに非日常な存在であった。
10:7は日本の太陽神・アマテラスと同じ配分である。
アマテラスが太陽の女神の美しさを持つとすると
彼は月の女神のような不思議な美しさを持っていた。
華やかなアマテラス―
はかなげで中性的な「彼」。
はかなげ、と言っても女性的とか弱々しい感じではなく、
むしろ女性的な男性と言うか
綺麗な男性(だから中性的)というか。
ただ、月、ではない―
月ではなく、太陽の違う面を表しているのだ。
「彼」の大元の魂の姿を視覚化したものが、上記に挙げた姿で、
実際の彼の姿は「何処を切っても男しか出てこない」をそのまま体現したような感じだ。
人間として生まれる前、タカミムスビの所に挨拶に行った彼。
何かの会話を交わし、
タカミムスビは「アマテラスの子孫が何をした?地上はどうなってる?」とパニックになった。
本当に美しい「彼」は生まれる前の「魂がそのまま視覚化した姿」でさらさらと歩き回り、
まるで天女とか妖精のように、造化三神しか出入りできない場所から出て行った。
人間として生まれたが、亡くなった後は明神様として千代田区に祀られている。
逆太陽、或いは双太陽としてのアイデンティティー。
それは一体何であろうか。
何らかの理由で、その頃に天皇の血筋が断絶する危機に見舞われたのだ。
それを何とか解決するための唯一の存在が彼なので、
人間として生まれ変わり―
細かいいきさつは分からない、というか
とても複雑に行き交っているのだろう。
(ピタゴラスイッチのような感じ?)
そして、無事天皇の血筋が繋がり、断絶の危機を脱したので、
彼は運命的に弑されたのだ。
彼、にはもうひとつ秘密がある。
ツクヨミの子、アマモが誕生した際、
太陽神が二柱出来たことで世の均衡がおかしくなったことがあったが、、
太陽神二柱分の均衡を保つ存在として、自動的にツクヨミの二番目の子として生まれたのである。
法則、に従った命なので、「自動的に生まれる命」に「元々保管されていたアマテラスの力の均衡のための存在」が
スポッと入ったような状態を想像してもらえると分かりやすい。
その時は、生まれた時から自分の役割を知っていたので
誕生と同時に、自分の正体を知られないように、配分が記してある右下脇腹を剣で隠し、
サーッとツクヨミから去った。
そしてその記憶保持ゆえの力のまま、両親の記憶を消したのである。
ツクヨミとウルメがどうしても名前を付けられない、とか
記憶を消されてしまう、とか
強大な力ゆえの意味不明な事象があったが、
アマテラスと同等の力を持つ魂が、誕生したがゆえだったのだ。
ツクヨミの子として、「天津神として誕生する」という儀礼を通過することで
元々の力よりも力が増したような状態になった。
そして、「保管されていた魂」ではなく「誕生、を通過した魂」になり
再度何処かに保管された、と思われる。
もうひとつの太陽であり、
月の子でもあるのだ。
名前は、きっと本当の名前は、
裏の太陽を見るようなものだから
だから知ってはいけないのだろう。
知ってはいけない―・・・
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