新解釈の古事記 新解釈の古事記 新解釈の古事記 新解釈の古事記 新解釈の古事記

第3章:神々の物語

第6話:アマテラスとスサノオ

新解釈の古事記


・・・
ふと、スサノオは考えた。

確か、男神と女神の交合で、神様を作ることが出来る、ということを知っている。
それが出来たら、一人前だと認めてもらえるのではないか?と。

この頃は、結婚だの愛だの、生命だとかを作るのに倫理や道徳観はだいぶ緩かった。


ふと、父親と母親の愛の何かが―、抱き合ってるような画像が見えた。
とても悲しくて、遠い想い出の日に戻されてしまったような悲しい感覚。

じわっと涙が出て、
その愛らしい機織女に「失礼しました」と謝り、
そして出て行った。


少しして、
機織り場を開ける戸の、別の戸からたくさんの機織女やら神様たちが出て来た。

「うっ、何なの、この獣臭さはっ」
場は騒然となった。

「何なの?この血は!」

スサノオの服から落ちた、鹿や猪の血である。

ここで何が起こった?!
ということになり、残っていた機織女が色々聞かれた。

機織女は必死にスサノオを庇ったが、
みな、可哀想に、と慰め、避難させた。


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アマテラス「あなたは何もしていないということは分かっています。
ですがもう、これ以上あなたを庇えません」

スサノオはうなだれた。
本当に彼は、乱暴狼藉をしているつもりはなかった。
ただ、精神:肉体、の配分が9:8であるあまり、8の力が強大すぎて
すぐに物が壊れてしまうのである。

ちなみにスサノオの精神「9」については毘沙門天と同じで、
悪を打ち負かすことで、善を守る、という概念。


スサノオ「ひとつだけ、頑張ったことがあります」
そう言って、スサノオはくるりと後ろを向いた。

「きりちゃん、しまちゃん、たぎつちゃん」

すると・・・
三柱の、美しい女神が現れた。

スサノオは向き直って、自分の前に三姉妹を並べ、
「姉上の勾玉を・・・あの桃色の勾玉を砕いて、自分だけの力で神を作りました」
と言った。

「なんて・・・」
アマテラスは感動した。

彼は自分の剣を取り出し、

「もう暴力は捨てます。武力は捨てます。この剣を姉上に預けます」
と、アマテラスに剣を渡した。

そして自慢の娘たちをアマテラスに預け、
「さようなら」とスサノオは去って行った。


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アマテラスはスサノオの剣を見た。
「こういう剣があるのは危険だから、処分した方がいいですね」

そして三姉妹を見て、ムッと闘争心が湧き、
私も立派な神を、と、バリバリバリッ!と剣を砕き、プーッ!吹いた。

五柱の男神が生まれた。



盛夏のような三姉妹と、
初夏の香りのする五兄弟。



そういえば・・・
「(スサノオが、母親のことで吹っ切れたような顔をしているのが、
不思議だった。けど良かった・・・)」
と安心するアマテラス。


第3章:神々の物語「第6話:アマテラスとスサノオ」


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