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第3章:神々の物語

第8話:神はいない

新解釈の古事記


数時間、数日経ってもアマテラスは見つからなかった。

高天原中が、何とも形容しがたい雰囲気に包まれた。

緊張と、過敏と、混乱と絶望と、無気力が入り混じった空気とでもいうべきか。
意味不明だが、本当に文字にするとこういう感じであった。

自分が妬んだからだ、
足を引っ張ったからだ!と
どうしようもない神たちが反省した。

そしてそのまま、土に還ってしまう・・・という
本当に意味不明な現象が起きた。

一日、一日、進むごとに、
どんどん、空気がおかしくなってゆき、
風は荒れ、土は痩せ、水は枯れ、自然の恵みそのものが悪化していった。

神の気持ちで、簡単に何かが荒れたり、影響を受けて自然にその気持ちが反映されたりするので、
こうなってしまう。
高天原中が、変な感じになってゆき、空気そのものというか・・・霊的なものがおかしくなっていった。


空は普通に太陽があって、明るくて光が射しているのに、
それは物理的なものであって、精神的には、心的は、、、全然日が射していない。と思った。
皆が。
太陽は、精神的なもので、物理的なものではない。
あの方がないと、彼女がいないと何の意味もないと泣いた。

泣いたら、太陽の陽が消えたら怖いと、涙を止めようとするほどに。



ツクヨミ。
夜の国を支配する月の神である。

さすがに、この異常な事態を察知せざるを得なかった。

彼はずっと夜が続いているような、妙な空気に異常を感じ、
ある夜、様子を見ようと
白馬に乗って月の神殿から太陽の神殿に向かった。

「(こんな夜に神殿全部の明かりがついている・・・
しかもすごい大人数だ)」

今行けば 余計騒ぎになる、と思い、引き返して行った。



アマテラスは。
件の洞窟に閉じ込められた形になっている訳だが。

「(何故か数日経っても食料がなくても大丈夫だし、
排泄等のもの・・・生理現象もおこらない。
・・・?
この洞窟は一体・・・?)」

占いなどでここを突き止めることも出来るだろうに、
それもないのは一体?
と頭が痛くなっていた。


占いは、全くこの洞窟に適用せず、
多くの神々が占ったが、全然的外れで役に立たなかった。
(地上とは違い、高天原は占いが実用的で、ちゃんと力を発揮する)



そうしているうちに、実際は五日ほどしか経っていないのだが、
アマテラスを皆が見つけた。

わいわい大人数で声を上げて探しているのをアマテラスが聞き、
例の隙間から「私はここよー」と声を出したのである。


あんな所にいた!
と、神々たちが喜び、急いで声のする方に向かった。

が。
すぐにでも全員で大岩を開けるところなのだが、
あまりの不気味な雰囲気に、オーラに、岩に触ることも出来なかった。

「こ、ここは一体?」
何故このようなところへ・・・

しばらくして。

「本当にこの中にいるのはアマテラス様なのか?」
と言い出す神もいて、混乱に陥った。

アマテラス様なら返事をして下さい、
と言う神に、
私です。と落ち着いて答える彼女。

声だけなら、彼女だけの力強い、ふたりといない不思議な感覚のある凛としたあの声・・・だ。


神様たちは、次から次へとやってきた。

そして、滝の周りはいつしか何百柱という神々で埋めつくされた。


第3章:神々の物語「第8話:神はいない」


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